ナムジュニに両肩を掴まれてベッドの縁に腰掛けたまま上半身を向かい合わせにされる。
真剣な眼差しに鼓動が早くなって喉が渇く。
今の言葉は、きっとナムジュニの優しさだ。
相手もタイミングも予想外だけど、こんな雰囲気になってこの先何が始まろうとしているのかは分かる。
でも、俺が、ナムジュニを突き飛ばすなんて …。
俺の肩にあった手は両頬に移動して、壊れ物に触れるように俺を包み込む。
あぁ、ナムジュニはどこまでも自分を律することをやめられない人間なんだな。
そう言って、ナムジュニの首に腕を回した。
優しく細められた目と、えくぼ。
ナムジュニが、ゆっくりと近づいてくる。
いいのかな、ナムジュニは。
貴重な初めての相手が俺で。
あ、待てここジョングギのベッドじゃん!それは、良くない!!てかジョングギが部屋に何か取りに来たりしたらヤバくない!?そもそも俺何の準備もないよ!?ジニヒョンゴムとかローションとか使ってたけどそういうのないとダメなんじゃ…え、あ、てか俺が下?ナムジュニの挿れるの?は?無理じゃね?
鼻先が触れるほど近づいたものの、そのまま止まっているナムジュニに声をかけると悲しそうな下がった眉が見えた。
ばれてる。
俺の背中と膝の裏に手が回って、抱き抱えられる。
距離はそんな大したことないけどお姫様抱っこって脳が認識した瞬間ちょっと心がソワソワしてむず痒くなった。
そして、ナムジュニのベッドに下ろされてそのまま寝かせられる。
バツが悪そうに目をそらすナムジュニの瞳が潤んでいる気がして、今度は俺がナムジュニの頬に手をあてた。
恥ずかしい、照れくさい、そんな気持ちが混ざった顔をして、ナムジュニは頬を赤く染めた。
その頬を引き寄せ、軽く、唇を合わせる。
오늘의방탄*゚
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。