第5話

The flip side of what you like【赤黄】
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2024/03/08 10:23
「どしたん、それ……」

メンバーに、指摘されるや否や、
人差し指を向ける箇所に鏡を映せば
首元に僅かに滲んだ赤い痕に瞳を細めた。

今日は雑誌の撮影があるって
あれ程しつこく言ったのに、
まさかの確信犯すぎる。

相手の方をむくと
脱兎のごとく素早い動きで
身長の高い末っ子の後ろに
隠れれば、ゆっくり此方を覗いた。

***

ふと後ろに周り小さく屈む相手と
此方へ距離を詰める相手を交互に見やると
笑いながら後ろの方へと、問いかけた。

『しげ、どしたん……淳太に怯えるとか珍し、』

「……ええねん、いつもの仕返しやから。」

『俺、神ちゃんとこ行きたいから、』

腰に掴まれた手を掴んで離すと、
相手の方へ差し出せば小さく頬を緩ませた。

『淳太、バトンタッチ、』

「ん、ありがと」

差し出された手を掴んで引き寄せると
耳元で小さく呟き、手を離した。

『……淳太のいじわる、あほ、唇おばけ』

「はいはい、」

『なに、話って、』

「分かってるやろ、確信犯め、」

『知らへんなぁー、なんやろなぁー…』

いつもの調子でとぼける相手を
横目に再度手を掴むと勢い任せに
引っ張れば部屋から出た。

『!?ちょ、なにって……淳太、痛いって、』

掴んだ手を離すように片方の手で
相手の手首を掴むと引き剥がし掴まれた箇所を
軽く擦りながら見つめた。

『いつもしてやられてばっかやから、
ちょーっと、反抗しただけやん…』

「ふーん……ほんで?」

『ほんで?ちゃうわ!痛いし……なんなん、』

唇を尖らせながら相手を見つめるも
ゆっくりと距離を詰めるように近寄る様子に
瞳を見開くも逃げる隙も無かった。

「しげはさ、隙だらけやで」

『え……!ちょ、あかんて、淳太、』

「大丈夫やから、静かにして」

壁にまで追い詰めると、耳元へ唇を近づけつつ
シャツの隙間から手をスッといれると
微かに漏れる声に、慌てて相手は口を抑えた。

『っ……あ、じゅ…!?!』

その様子に微かな笑みを浮かべるも
相手は、堪忍した様に抑えた手を離し
懇願するようにぐっと重ね、
小さく呟くのと同時に瞳を閉じた。

『わかった、わかった!俺が悪かったから
此処ではせんといて、おねがい……』

「ほんまに、もうせん?」

『せん!せん、せん!』

「……今日は見逃すけど次は無いからな、」

懇願する相手の頭を軽くトンッと叩くと
距離を開けるように、
一歩下がれば相手は此方を見つめ
いつもの様に笑い、いつもの様に呟いた。

『淳太が好きやから独占したくて、』


***


「いつでもしとるやん、ずっと前から」



【 The flip side of what you like - 好きの裏返し- 】


** end.

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もう何十ヶ月レベルじゃない*ˊᵕˋ*
すみません、放置したわけじゃないの。
別に彼らから離れた訳でもないの。
とりあえず、黄×赤 で 甘々なんです。

時々通知くるなぁと思いつつ、
誰かしら一人フォローして下さってて
本当にありがとうございます。

低クオリティでお届けします。
リクエストも受付してます。(コメントも^^)
あ、でもR18指定等は、文才力が今以上に
落ちるので其れは御遠慮願います。
甘々がモットーなので軽くはあるけど、、

今後ともよろしくお願いします。

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