第22話

時間の流れ
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2024/11/23 12:08 更新
講堂が熱気で溢れかえっている

当たり前だろう

一大イベントで一年生が最速で位階ランクを上げたとなれば
ましてやその生徒があらゆるトラブルの渦中にいる存在だったとすれば

至極当然のこと



バラム・シチロウ
凄く盛り上がってるね
(なまえ)
あなた
あ、バラム様ですか



わざわざ離れたところにいる私の方に来なくても良かったのに



そんな言葉が浮かぶがすぐ消して別の言葉を紡ぐ
(なまえ)
あなた
今回は放送師団が一位ですし…
(なまえ)
あなた
魔具研が「トリッキーで賞」に選ばれたので…
バラム・シチロウ
魔具研かあ
あなたの下の名前は好きそうだね
(なまえ)
あなた
そうですね。魔具は奥が深いですから



なんとなく雑談を交わしているともう後夜祭も終盤
そろそろ終わるだろう

生徒は今年の師団披露バトラパーティを楽しめたのか、とか思ったがそんな考えは笑っている生徒たちを見てすぐなくなった
(なまえ)
あなた
いいですね…青春…
バラム・シチロウ
僕たちにも一応あったんだよ青春
(なまえ)
あなた
懐かしいですね…
喧嘩三昧だった記憶しかありませんが…

時の流れは早いもので生徒だった私たちは教師になった


昔の自分と生徒たちを見比べる



思い出すのはオペラ様に振り回された日々

……私の青春、喧嘩しかなかった…



少しだけ自虐的になる

自分の馬鹿げた思考に苦笑していると生徒たちが講堂から出ていくのが見えた
終わったみたいだ
(なまえ)
あなた
お疲れ様です。会場の片付けは私の方でやっておきます
ダンタリオン・ダリ
報告書もよろしくね
(なまえ)
あなた
分かってますって…


急いで魔術で装飾を片付ける

こういう時に家系能力は便利だ
モクラス・モモノキ
明日からあなたの下の名前先生はお休みでしたよね…
(なまえ)
あなた
あ、はい。休みという名の謹慎ですが…
(なまえ)
あなた
二度とこんな事が起きないように努力します
ダンタリオン・ダリ
お願いね






そう言ったダリ先生は口調こそ軽いけれど

目は笑っていなかった











翌日





目を覚ます

一番初めに目に入ったのは見慣れない天井
それを見て今いるのは教師寮ではなく自宅だということに気づく

自宅と言ってもノリで作った簡素なもの
ここ数年は寮で過ごしていた

改めて謹慎だということを思い知らせる




皆さんは今何をしているんだろうか
そんな事ばかり考える





とにかく時間の流れが遅い









……………








一人は慣れていた

今の境遇がとても恵まれているのも分かる



それなのになぜか凄く寂しかった











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