講堂が熱気で溢れかえっている
当たり前だろう
一大イベントで一年生が最速で位階を上げたとなれば
ましてやその生徒があらゆるトラブルの渦中にいる存在だったとすれば
至極当然のこと
わざわざ離れたところにいる私の方に来なくても良かったのに
そんな言葉が浮かぶがすぐ消して別の言葉を紡ぐ
なんとなく雑談を交わしているともう後夜祭も終盤
そろそろ終わるだろう
生徒は今年の師団披露を楽しめたのか、とか思ったがそんな考えは笑っている生徒たちを見てすぐなくなった
時の流れは早いもので生徒だった私たちは教師になった
昔の自分と生徒たちを見比べる
思い出すのはオペラ様に振り回された日々
……私の青春、喧嘩しかなかった…
少しだけ自虐的になる
自分の馬鹿げた思考に苦笑していると生徒たちが講堂から出ていくのが見えた
終わったみたいだ
急いで魔術で装飾を片付ける
こういう時に家系能力は便利だ
そう言ったダリ先生は口調こそ軽いけれど
目は笑っていなかった
翌日
目を覚ます
一番初めに目に入ったのは見慣れない天井
それを見て今いるのは教師寮ではなく自宅だということに気づく
自宅と言ってもノリで作った簡素なもの
ここ数年は寮で過ごしていた
改めて謹慎だということを思い知らせる
皆さんは今何をしているんだろうか
そんな事ばかり考える
とにかく時間の流れが遅い
……………
一人は慣れていた
今の境遇がとても恵まれているのも分かる
それなのになぜか凄く寂しかった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。