______日が傾き始めた頃。
結局、僕らはしばらく丘を離れなかった。
スイカとクロムは途中から石を探し始めて。
龍水は「宝探しだ!」なんて言い出して。
ゲンはそれを面白がって。
羽京はそんな僕らを眺めながら笑っていた。
ふと隣を見る。
千空が空を見上げていた。
その横顔は、いつものもので。
ぽつり。
誰にも聞こえないくらいの、小さな声で、
彼は、
わかりにくくも、素直に、
感謝を述べた。
だから、反対に。
天邪鬼に返してやった。
遠くから、クロムの声が聞こえる。
千空が立ち上がる。
_______コツン
…..そして、その足元に。
さっきの青い石が転がってぶつかった。
クロムが走ってくる。
千空はそれをゆっくりと拾い上げる。
掌の上で、淡い青が 夕暮れを反射していた。
_______その時、
千空の頬に一筋、きらりと光ったものは、
その蒼い石の所為なのか、
はたまた別の何かなのか。
ただ。
空を見上げたまま。
誰にも聞こえないくらいの声で。
千空が、その名前を呼ぶ。
それは。
寂しさなんかじゃなくて。
悲しさなんかでもなくて。
______ただ。
ずっと胸の奥にしまっていた、大切な記憶を。
そっと撫でるような声で。
僕はその背中を追いかけながら。
一度だけ、空を見上げた。
青く、広く、半透明。
どこまでも。
あの日からずっと、変わらない。
あたりを橙色に染め上げていく。
ゆったりと、日が隠れるのを
僕の瞳が映していた。
___________【 石言葉 】
*ブルーカルセドニー
___『追憶』
___『ノスタルジア』。
過ぎ去った時間を想い。
遠い記憶を懐かしむこと。____________
以上で、完結です🙌🏻
ライラさん、ご希望に応えられましたでしょうか….?💦😖
リクエスト、ありがとうございます🫶🏻✨


長くなってしまってすみません!!😭🙏🏼











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!