階段を降りるとき、少し急いでいた。
理由は、特にない。
ただ、呼ばれた気がしたから。
下からするマヒナの声。
そう返して、足を一段下ろす。
その瞬間、
足が滑った。
一瞬で体勢が崩れる。
手すりに手を伸ばすけど、間に合わない。
ガン、と鈍い音。
肘と膝をぶつけて、階段の途中で止まる。
いたぁ……
いや、痛くない。このくらいなら、
誰に言うでもなく、小さく言う。
ゆっくり立ち上がる。
足に少し力が入りにくい。
でも、歩ける。
下からもう一度マヒナの声。
普通に答える。
階段を降りきる。
何もなかったみたいに。
リビングに入ると、いつもの空気。
マヒナがソファから手を振る。
微笑んで近づく。
周りをちらっと見ると、
ユリがこっちを見ていた。
そう返す。
自分でも、少し強引だと思う。
でも、それでいい。
モモカが言う。
一瞬だけ止まる。
すぐに言う。
少しだけ姿勢を整える。
普通に歩く。
……たぶん、普通。
コハルがテーブルから顔を上げる。
視線を落とす。
手のひらが少し赤い。
摩擦で皮がむけていた。
さっき壁を擦ったからだ。
でも、大したことじゃない。
そう言って、手を引っ込める。
でも
コハルが言う。
ユリも立ち上がる。
そう言うけど
今は、手より足がじんわり痛む。
さっきより、少しはっきり。
マヒナが近づく。
その一言が、少しだけ言葉に詰まる。
正直に言う。
コハルが立ち上がる。
少し強め。
私は小さく息をつく。
椅子に座る。
ユリがすぐに言う。
モモカが言う。
ママがいなくても、ちゃんと話が回る。
その感じに、少し安心する。
コハルが私の前にしゃがむ。
少しだけ、驚く。
少しだけ笑ってしまう。
でも
すぐに戻される。
ユリが戻ってくる。
コハルがそれを受け取る。
消毒される。
確かに、少ししみる。
いや、結構。
でも私は、それより。
こうやって囲まれてる方が、
少し落ち着かない。
ぽつりと言う。
コハルが手を止めずに言う。
ユリが言う。
次はモモカが言う。
最後にマヒナが言う。
あなたのせいでも一理あるよ。
そう言いたいところを、我慢して
みんなの言葉に、少しだけ息をつく。
コハルが顔をあげる。
その言い方が、ちょっとだけ優しい。
頷く。
膝も少し冷やされる。
じんわり痛い。
でも さっきよりは、ちゃんと実感がある。
少し笑う
そのやり取りに、少し空気がゆるむ。
私は背もたれに寄りかかり、
自分の怪我したところを撫でる。
つい、言う。
コハルがすぐ言う。
少しだけ驚く。
でも。
今回は、素直に頷いた。
ゆいさん、
遅くなってしまい申し訳ないです💦💦
少し書くのに苦戦してしまいました。
ですが、素敵なリクエストありがとうございました‼️
またのリクエストお待ちしております。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。