第53話

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2023/03/21 13:55 更新

you
you
 離して...っ 
 思いっきり体を突き放した時


 足元にあったバケツを蹴ってしまった


 ――ガシャ


 鈍い金属音がコンクリートを鳴らした、その時
 警備員 
 誰かいるのか !
  そこから動くな !! 
 
 遠くから懐中電灯が私たちに向けられている
 ジョンウォン
ジョンウォン
 やっば あなたちゃん走れる? 
you
you
 うん 
 荷物をかき集めて必死に走る
 警備員 
 動くな ! 
 後ろから追いかけてくる警備員さんは


 想像以上に速い
you
you
 どうしよう追いつかれるよ...! 
 手を引かれて、全速力のジョンウォン君に着いていく
 でも..脇腹が痛くてもうこれ以上走れそうにない
you
you
 ごめっ、もう無理.. 
 ジョンウォン
ジョンウォン
 おんぶするから、一緒に逃げよ 
you
you
 ご両親にばれちゃうよ
  私は大丈夫だからジョンウォン君逃げてっ.. 
 ジョンウォン
ジョンウォン
 ううん大丈夫だから 
you
you
 私隠れるからとにかく逃げて、お願い 
 ジョンウォン
ジョンウォン
 ...分かった俺が警備員誘導するから 

 先を行ったジョンウォン君の背中が闇の中に消えて


 私は茂みに隠れて呼吸をなんとか整える

  「「 警備員さーんこっち ! 」」

 ジョンウォン君が進んだのとは反対側から男子生徒の大声が聞こえてきた


 警備員さんの懐中電灯がパッとそちらを向く


 目を凝らすと、その人は小さなライトを


 おびき寄せるように振っている。
 ...ジョンウォン君大丈夫かな


 でも進んだ方と真逆からどうやってあっちまで行ったんだろ..
 そんな疑問を抱きながらも


 ぐっと唇をかみしめて、なるべく冷静に門の外に出た
 どうしようジョンウォン君捕まってないよね..?
 不安で門の影に隠れながらジョンウォン君を待っていると
 ――ガシャン
you
you
 ジョンウォン君..! 
 暗くて顔が全く見えないけど


 絶対にジョンウォン君...
 温斗
温斗
 世話焼かせんなよ 

 そこには額に汗をかいて息を上がらせた温斗君がいた
you
you
 ...なんで、なんでここに...? 
  じゃあさっき助けてくれたのって、温斗君なの? 
 張り詰めていた不安が一気に涙に変わった
 温斗
温斗
 なにそれ知らね 

 困ったときに現れる温斗君はやっぱりヒーローだ
you
you
 ...助けてくれてありがとう 
 温斗
温斗
 助けてないし、忘れ物取りに来ただけ 
you
you
 とにかく..ありがとう 
 温斗
温斗
 ..意味分かんない 

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