第29話

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2024/07/02 09:31











あなた





悲しい









寂しい













そんな感情がグチャグチャになりながら目を覚ました









若干まだ痛みのある体をムクリと起こした











ポタポタと水滴が布団を濡らした












頬に手を当て、なんでか分かった



































俺は泣いていた


















あなた
最悪の目覚めだな





ここは…







俺は涙をゴシゴシと拭き、キョロキョロと周りを見渡す







ツンっとした匂いがする











防衛隊の医療室か







保科宗四郎
お、やっと起きよった


あなた
…!保科副隊長…




副隊長はベッドの横にある椅子に座った



保科宗四郎
体はどうや?
あなた
お陰様で…

あなた
レノと伊春は…?
保科宗四郎
2人とも生きとるで〜
保科宗四郎
今は安静にしてもらってる
あなた
良かった…

あなた
あ、どれくらい寝てました?
保科宗四郎
ざっと5日間ぐらいやな
あなた
5日もですか…?!

保科宗四郎
損傷が激しかったし医者からは1週間は寝てる言われてたんやけど…

保科宗四郎
まさか2日も残して起きるとはな

あなた
あはは…



目覚めは最悪だったけど…
















保科宗四郎
…泣いとったやろ

保科宗四郎
目ぇ腫れてんで

あなた
…ちょっと、昔の夢を見まして…






保科宗四郎
そうか、



副隊長は座っていた腰をあげ、入口に向かいながらこう言った




保科宗四郎
2週間は安静にしとき




保科宗四郎
それと…






















保科宗四郎
あんま溜め込みすぎんな




そう言って、パタッと扉を閉めた

















俺は重力のままベッドに倒れて、目元に腕を乗せた


























あなた
こっちのセリフです









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