そこには、
あの受付の人と並ぶくらいに整った顔で
王子様のような人が居た
そう言って、その人は
首を傾げて子犬のように聞いてくる
なんだ、この人
なにか、放っておけないオーラがある
なんか、この人なら、良いかも
私の心がそう、答えた
と香澄は私に驚いたように目を丸くし、
私だけに聞こえる声で話しかけてきた
え ?
誰、それ
私の頭は少し混乱して、
何が何だか分からなくなっている
そんなに有名な人だったとは知らなかった
私、そういう仕事してるはずなのに、
まだまだだな、痛感する
そう言って、その白岩さんは
私たちに話しかけてきた
やばい、私すっかり白岩さんの存在
忘れてた
今の話、聞こえてなければいいんだけど
何を話したらいいのか分からず、
助けを求めるように香澄の方を向くと
さっきまで誰も居なかった香澄の隣に
可愛らしい顔立ちをした男の人が座っていた
なーんて香澄はもう接客しているかのように
愛嬌を振り撒き、祥生 ? さんも
笑顔で対応している
もうすっかり2人の世界
私が緊張していると
白岩さんが優しく、話しかけてきてくれた
と白岩さんは
少し悩むような表情をしていた
もしかして、私の存在、
バレているのだろうか
実は一応私も白岩さんと同じような
立ち位置にいる
私が働いているお店は
そういう系のお店の中でも、
有名な店
それに、私はそのお店でも
売上No.1を取っている
だからきっとこういう業界の人は
知らない人は少ないだろう
だから、行きたく無かったのに
そう思っていると、
さっきまで悩んでいる様子だった白岩さんは
元の表情に戻り、話してきた
ほら、やっぱり、そういう言葉を空気のように
振り撒いて来る
まぁ、そういうことを言うのが
ホストなのだから
だけど、バレなくてよかった、
よく写真などに写っているような
派手なメイクも落として、
プライベートと同じようなメイクをしているから、
気づく人も少ないのだろう
そこは一安心した















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!