第25話

脱出
646
2023/07/30 17:57
五条悟
おかえり~
あなた
はぁ…
伏黒恵
はぁ…
今、私たちの周りは空気がどんよりとしている…

あれから約10分後、無事にゴールすることが出来た

でも、精神的に限界…
伏黒恵
あいつらは…?
五条悟
ジェットコースター行ったよ
二人も行ってくれば?
乗りたいのは確かだけど、今はそんな気分じゃない
少し休憩をとりたい…
伏黒恵
俺達はいいです
少し休憩します
状況を察してくれた恵くんに、感謝
伏黒恵
それと、もう一周はしないです
こいつがこんななので
あなた
うぅ…
五条悟
いいよ
もう一周のこと考えてなかったから
伏黒恵
…は?
あなた
え、?
五条悟
もう一周は時間かかるから、それだと二人が富士P満喫できないでしょ?
伏黒恵
…まさか、時間を決めていたのは…
五条悟

第一、僕が時間計ってないからねー
あなた
噓でしょ…
伏黒恵
…んだよ……!
時間を計っていなかったなんて!!
あんなに怖い思いしたのに!

ショック…





でも、

恵くんと唯一の二人きりの時間だった

本当に嫌だったかと言われたら…嘘になる

場所がお化け屋敷というのがキズだけど、二人きりになれる時間があったのは正直言って、嬉しい
結果、よかった、のかもしれない…
五条悟
そんじゃ、後で絶叫乗るためにしっかり休んでね~
あなた
だから私達はもういいです…

五条先生がいなくなり、近くのベンチに座った


あなた
もう、二度と行きたくないよ…
伏黒恵
…普段の任務と何が違うんだよ
少し驚くくらいだろ
あなた
それが無理なんだって!
はぁ…と疲れを吐き出すようにため息をつく
それと同時に、中で起こった出来事がよみがえってきた


優しく声をかけてくれて

転びそうになったときとっさに支えてくれて

さらには、手まで繋いでしまった


…こんなにドキドキしたこと、今まであったかな?

実はさっきからずっと心臓のドキドキが止まらない
恐怖の余韻もそうだけど、恵くんの影響が大きい

向こうから手を繋いでくるなんて、思ってもみなかったな…
伏黒恵
大丈夫か?
あなた
え、
しばらく考え込んでいたので、心配されてしまった
あなた
大丈夫、何でもない


しばらく休んで恵くんが立ち上がった
伏黒恵
そろそろ合流するぞ
いつも通りの恵くんだ


あなた
…うん
伏黒恵

まだ休むのか?
結構休んだだろ
あなた
そうじゃなくて、
さっきのがなかったみたいに、恵くんの態度がいつも通りで

なんだかちょっと、もやっとする
伏黒恵
なら行くぞ
もやもやした気持ちのまま、立ち上がる

なんだろう…このスッキリしない気持ち…?























亜里鈴奈
久しぶりね
あなた
ごめんね、急に電話かけちゃって
そう、今私は鈴奈ちゃんに電話をかけている
この気持ちの正体を暴くために、鈴奈ちゃんに聞いた方が早いと思ったから
亜里鈴奈
大丈夫、さっき任務が終わって休憩してたところだから
あなた
あのね、電話した理由なんだけど…
私は富士Pでの出来事を話した
亜里鈴奈
…なるほど…
それであなたの下の名前ちゃん的にはどうしたいの?
あなた
それがわからないんだ…
亜里鈴奈
んー、きっとそれは期待しちゃってるのね
あなた
期待?
亜里鈴奈
そう、さっきまでの恵くんは彼氏らしい振る舞いで、無意識に「私を彼女として特別扱いしてる」と思い込んじゃったのよ
亜里鈴奈
でもお化け屋敷に出たら、いつもと変わらない普通の態度で、ショックを受けちゃったのかしら?
あなた
そう、なのかな…
確かに、態度が違うのには引っかかったけど…
亜里鈴奈
だから「また彼氏らしいことしてくれないかな」って期待しているのかも
あなた
そっか…確かに納得できるかも
ありがとう
亜里鈴奈
いいえ~相談に乗ることができて嬉しいわ!
しばらく話してから電話を切った

期待、かぁ…



私は一体何を期待しているんだろう…??




























遅れてしまい、大変申し訳ございません。

プリ小説オーディオドラマ