inm side
太陽が照りつける 、ある日の昼下がり 。
俺の向かい側に座るこの女 、あなたが
指をパチンと 鳴らした 。
風鈴の音に合わせて 、女の髪がよく揺れる 。
レモンティーに口をつけてから 、一息 。
ゆっくり俺に目を合わせた 。
顔を動かさず 、すました顔で言う女の
後ろを怪しまれないようにチラリと覗く 。
困ったように眉を下げて 、酷く
悲しそうに笑いかける女 。
…俺が悪いことしてるみたいじゃん 。
丸みを帯びたカフェオレ色のテーブルの下で 、
ギュッと拳を握り込む 。
自分でも眉間にシワがよってるのがわかる 。
でも 、それ以上に冷たい目をしたこの女が 、
貼り付けられた笑みで視線を交えてきたのが
分かって 、我に返る 。
ゆっくりと立ち上がった女は 、テーブルの
端に 、1人分では到底使い切れないお札を
置いて笑いかけてくる 。
来た時と同じように 、指を鳴らして
かけた結界を解く 。 瞬間 、周りの
環境音が耳に響き渡る 。
ただ 、去っていく背中を見つめるしか
できなかった 。
彼女が店を出た後を 、数人の黒服が
バラバラの座席から立ち上がり追いかけ
て行った様子を見て 、また1つ後悔が
増えた 。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。