第11話

拾
276
2026/07/27 15:31 更新



inm side














inm
…それで 、どういうことなわけ
あなた
その前に 、少し失礼しますね









太陽が照りつける 、ある日の昼下がり 。
俺の向かい側に座るこの女 、あなたが
指をパチンと 鳴らした 。












inm
おまえ、なんなわけ? 
inm
認識阻害に 、隔離空間なんて
あなた
…私のこと 、嫌いなのによくご存知なんですね
inm
っ…それ、どういう
あなた
…ちょっとからかっただけです 。
気にしないでください 。











風鈴の音に合わせて 、女の髪がよく揺れる 。
レモンティーに口をつけてから 、一息 。
ゆっくり俺に目を合わせた 。














あなた
周りに聞かれたくないので 、
特に後ろにいる方々には
inm
後ろ…?








顔を動かさず 、すました顔で言う女の
後ろを怪しまれないようにチラリと覗く 。











inm
…これといって誰も居ないじゃん
あなた
…そうですか
あなた
まぁ、いいです
inm
はぁ…?











あなた
怪しい者がいないかって話でしたね?
inm
うん、そうだけど
inm
まさか本当に知ってるの?
あなた
じゃなきゃ、呼びません。こんな所に
あなた
2人でカフェだなんて…
あなた
ふふ…明日は槍でも降りそうですね?
inm
冗談はいいから早くして
あなた
ええ












           困ったように眉を下げて 、酷く
悲しそうに笑いかける女 。
…俺が悪いことしてるみたいじゃん 。











あなた
伊波さんの言いたいことは分かりますよ 。
あなた
居ます 。うちの事務所に一人 、そしてもう一人
inm
…そんなに、
inm
分かってるなら 、なんで早く対処しないわけ?
inm
マナたちがどうなってもいいの?
inm
事務所が狙われて、さらに居座ってるなんて…!








丸みを帯びたカフェオレ色のテーブルの下で 、
ギュッと拳を握り込む 。













あなた
私は 、あなたの あなた達の3歩…いいえ
あなた
10歩先を見てるんです 。
あなた
何もしてない訳ではありません 。むしろ 、みんなを傷つけたくないから
あなた
必死で毎日を制限の中で生きてるんです。
inm
なら、なんでこんなことになるまで…っ
あなた
敵を欺くにはまずは味方から…ですから




inm
てか、制限ってなに
inm
傷つくって何…傷つくような事態になり兼ねるの?
inm
なんで誰にも…相談しないんだよ


あなた
今日は、質問が多いんですね?
あなた
いつもは見向きもしないでそっぽ向くのに
inm
なッ
あなた
…マナくん達に話せないのは
あなた
バレたら困る事情があるからです。
inm
なら、マナじゃなくても俺たちに言うとかッ










自分でも眉間にシワがよってるのがわかる 。
でも 、それ以上に冷たい目をしたこの女が 、
貼り付けられた笑みで視線を交えてきたのが
分かって 、我に返る 。













あなた
言ったところで 、聞く耳持たないでしょう?
あなた
だから 、私が全部背負ってるんです
あなた
…それに、西に来ないでと散々言ったのは
あなた
貴方たちですから 。











ゆっくりと立ち上がった女は 、テーブルの
端に 、1人分では到底使い切れないお札を
置いて笑いかけてくる 。










inm
ま ッ…!!
あなた
では 、今日は楽しかったです 。
あなた
お先に失礼しますね 。










来た時と同じように 、指を鳴らして
かけた結界を解く 。 瞬間 、周りの
環境音が耳に響き渡る 。













inm
…なんで











ただ 、去っていく背中を見つめるしか
できなかった 。















inm
…、 嘘じゃなかったんだ 。












彼女が店を出た後を 、数人の黒服が
バラバラの座席から立ち上がり追いかけ
て行った様子を見て 、また1つ後悔が
増えた 。



















プリ小説オーディオドラマ