手にある傷は親につけられたもの。
俺の父親は毒親だった。
酔った父親がビールの瓶で俺の手を切った。
それが想像以上に深い傷で今でもたまに痛む。
その傷が出来た日から俺と母に対する暴力が悪化した父親。
そのせいで俺は感情を失った。
そんなある日、1人の少女に出会った。
1人で迷子になり泣いている少女だった。
声をかけると少女は俺を見上げた。
その瞬間、初めての感覚に襲われた。
心臓が早く動いて、緊張?というか、そんな感じ。
少女と話していて、久しぶりに感情が戻った。
笑えたし、楽しいと思った。
だからその日以降その少女を探すようになったけど、
会うことは出来なかった。
それから年月が過ぎ、母が父の暴力に耐えきれず自殺した。
それが原因で俺は上手く話せなくなった。
でも高校生になってジミンとジョングクに出会って、
2人とは話せるようになって、ミンに出会った。
ミンとあの少女に抱く感情は同じだった。
だから上手く話せたし、感情を出せたんだ。
父から離れて暮らすようになったのとミンに再会した事によって、
感情が戻った。
そして今、ミンに抱いている感情が恋心だと気づいたんだ。
ミンからの言葉を聞いて驚いて固まっていると、
ミンが体育館から出ていってしまった。
3人に押されてミンに追いかけた。
声かけて振り返ったミンを見て、心臓が早く動き出した。
あの日と同じ感覚に襲われた。
テヒョンが言った瞬間、風が優しく吹いた。
テヒョンの綺麗な髪が揺れる。
言葉を聞いて、涙が込み上げてきた。
私は何を考えたのか分からないけど、
テヒョンに抱きついた。
テヒョンが優しく抱きしめ返してくれる。
ずっと、このままがいいと思った。
多分、私はあの頃からずっとテヒョンが好きだった。
ーー6年後
暖かい春。
6年記念の日にテヒョンにプロポーズされた。
テヒョンは私に指輪と100本のバラを差し出した。
貴方の心が出来るまで。
そういう約束でそばに居ることにしていたけど、
今は、
貴方に貰った100本のバラが全て枯れるまで。
ずっとそばに居ると約束した。
俺の心が出来るまで。
そういう約束でそばに居てくれていたけど、
今は、
俺があげた100本のバラが全て枯れるまで。
そばに居てくれると約束してくれた。
気づいてるかは分からないけど、
あげた100本のバラの1本は偽物のバラ。
だから枯れることは無い。
私が気づいていることに気づいているかは分からないけど、
100本のバラの1本が偽物だとは知っている。
それでも私は貴方のそばにいることを約束した。
これからもずっと、そばにいれるように。
貴方の心が出来るまで。𝑒𝑛𝑑























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!