「目黒くん!一緒に帰ろ!」
「いいよ」
「………………」
あの夜から1週間。
目黒とあなたは、見事に付き合うことになった。
仕事終わりには、
今日も、2人は一緒に肩を並べて帰るという。
「いやぁ〜めでたいねぇ!」
「……………振られたやつの目の前でそれ言う?」
今日も俺は、ふっかと夕飯を食べていた。
「………………はぁ」
なんだか、2人のことを考えると、
ズキンと胸が痛む。
俺はまだ、親友の初恋が実ったことを、
心の底から喜べずにいた。
「……………………なに恨んでんだろ」
わかってる。俺とあなたは結ばれなかった。
もう、俺の隣であなたが笑うことはない。
わかっているけど、
受け入れたくなかった。
「…………………なぁ、翔太」
「ん?なんだよ」
「お前ってさ、そんな人だった?」
「は?」
どういうことだ?全く理解できない。
ふっかは水を口に流し込むと、はっきりと言った。
「だってお前、目黒のこと恨んでんだろ」
「……………………」
図星だ。何も言い返せない。
「たしかに、好きな人が親友とくっつくと、
もやっとする気持ちはわかる。
だって嫌だよな。好きだった人が、親友の隣で
幸せそうに笑うのなんて、見てられるもんか」
よくわかってんじゃん、こいつ。
「でもさ、目黒は
お前に恨まれたくて、こうしたわけじゃねぇと思う」
はぁ。ますますわからねぇ。
「きっと、翔太の分まで幸せになろうと思ったんじゃねぇのか?」
「……………………」
でも、なんか納得する。
たしかに、俺が一方的にヤキモチを焼いているだけだ。
それに、俺が我慢すれば、
目黒は幸せになる。
あいつが、幸せになるなら_________












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!