ストヘス区、風は冷たく、空気を張りつめている。
遠く、建物の向こうに響く咆哮。
地鳴り。爆風。崩れる石畳。
それは作戦が失敗したと知らせていた。
大声を上げる兵士たち。
彼らは次々と殺られていく。
立体機動を使い、空を舞い、瓦礫の中で倒れている
エレンを見つける。そしてその隣にはアルミンが。
私とアルミンは瓦礫を持ち上げようとする。
しかし、ジャンは中々動かなかった。
痛いほどエレンの気持ちが分かる。
でもここでアニを止めなきゃ大勢の人が死ぬ。
轟音とともに建物の瓦礫と破片が飛んでくる。
咄嗟に交わしたものの、地面に叩きつけられる。
私はずっと敗者なのかもしれない。
私に誰かの命を奪ってでも、勝利出来るとは思えない。
アニはそれができる。
アルミンもその覚悟はある。
エレンはどっちなの?
アルミンに目を向けるアニ。
その隙に、私とジャンは攻撃を仕掛ける。
チャキンッ────!!!
硬化した!!!!
狙いは女型を罠がある所まで誘導することだ。
私にはきっとアンタを殺せないから。
大人しく捕らえられて、そして話をしよう。
地面が揺れて、私たちを女型は追いかけてくる。
ここだ─────!
強烈な風に思わずバランスを崩す。
女型は後ろへと倒れる。
黙って突っ立っていられるものじゃなかった。
一声くらい掛けさせてほしい。
ハンジさんの言葉を遮るように
私はアニの目の間に駆け寄る。
大きな目玉がこちらを見つめる。
何も動じない、けど微かに瞳が揺れた気がした。
彼女の目が再び揺れた。
そして少し悲しげな顔をした。
ごめん無理だよって言うように。
突如後ろから腕を掴まれる。
ミカサだ。
ゴゴゴゴゴッ───!!!
アニの足が突如振るわれる。
兵士たちは途端に建物の上に避難する。
私はミカサに抱き抱えられて屋根の上へと。
未熟なのは私だけ。
ミカサもアルミンもジャンもみんな覚悟出来てる。
ペトラさんもオルオさんもエルドさんもグンダさんも。
みんなみんな死んだ。
トワだって。
立ち上がって、
刃を握る。
本当はこんなことしたくないけど、
でも、もう、誰にも死んで欲しくない。
そのために、アンタを捕まえる。
アンタの体を裂いても、なんとしてでも。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!