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第21話

藻掻く朝、迫る夜。
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2025/02/16 10:28 更新
あさ
あさ
私が、ヨルになる。
あさは泣きながらそう言った。

駄目だ。君が、私になるなんて。そんなこと絶対させない。

朝が、夜になるなんて、そんなこと、絶対あってはならない。
ヨル
ヨル
入れ替わるってこと?
あさ
あさ
うん。もういいの。どうせ、あの日ヨルがいなかったら、死ぬつもりだったから。ヨルが死ぬくらいなら、私が死ぬ。
ヨル
ヨル
駄目。
あさ
あさ
いいの。
ヨル
ヨル
駄目!だって、あさ。生きたいって思ってたでしょ。
わかっていた。でも、どこかでそれを否定していた。

あさは、生きたいと思っている。

あさは、少しずつ、過去から這い出そうとしている。

嫌だった。いつまでも、死にたいと言って私に縋って欲しかった。

私と、同じでいて欲しかった。
あさ
あさ
思ってないよ……。思ってなんか、ないよ……。
ヨル
ヨル
私に嘘ついても無駄。すぐわかるもん。
あさ
あさ
でも、でもっ……ヨルがいたからそう思えたんだよ。ヨルがいなきゃ……また死にたくなるよ……。だったら、今死んじゃったほうが……いいよ……。
ヨル
ヨル
……わかった。
あさ
あさ
え……?
ヨル
ヨル
……わかった。もうすぐ、私の世話係が来るから、何も言わずついて行って。顔は知ってるよね?
ねぇ、あさ。
あさ
あさ
う、うん……。わかった……。
私の願いなんか、叶えちゃ駄目だよ。

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