みこと視点
…このらんらんは…
………"何を考えてるんだろ"…?
見えない。らんらんの気持ちが。
間違いなくらんらんは笑ってる。凄く楽しそうに。
__でも…
…あ…分かった。
この違和感の正体。
多分…_心から笑ってないんだ。
ほら、今だって…
表ではちゃんと感情がある。…でも…
心の中は真っ黒で…何も考えれてない。
…全貌は…らんらんのお兄さんしか知らない。らんらんの悩みが。
…どんどん、らんらんの心を蝕んでる様な気がする。
…きっと、らんらんを救うには…__
…らんらんのお兄さんと…__
「らんらんの大丈夫は、大丈夫じゃない。」
みんなそれを分かってるのに、らんらんはそれに気付いてない。
流石に察しの悪い俺でもわかる。
らんらんの目には。"なにも映っていない"
それは、らんらんが苦しんでる事を意味してる。
救いたい相手は目の前にいるのに…_
…救えない。
…らんらんは…いつになったら俺達を頼ってくれるの…?
ずっと…俺達だけがらんらんに救われて…
俺達は…_らんらんを救えないの…?
もう…"何も解決出来ないんじゃないか"
そんな思いすらしてくる自分が嫌になる。
…でも…何としても…!
…救わなくちゃ…。
絶対に…!
それまで…少しだけ我慢してて…!
ッガチャ
少し気になって、2階で話してるらんらんのお兄さんとみんなの会話を聞きに、ドアを開けた。
…?え、
あ〜…なるほど…
"「トラウマ」は、そう簡単に消えないからね。"
ッガチャ
ッバタンッ
「……ふふっ…w」
「みんな…凄いなぁ…」
凄く真剣で…
多分。本気であいつを"救いたい"って思ってんだろうな…
俺でも、あいつを完全に"救い出す"事は出来なかった。
それは、あいつが誰よりも人を愛する事の出来る子供だったから。
_優しい子供だったから。
一人で抱え込んで、泣いて、心が壊れてしまう。
そんな事がしょっちゅうあって…
でも…。…きっとみんななら…
あの人達なら…__
メンバーさん。
お願いします。
君たちならきっと、いつか。
あいつの心を開く事が出来るはずだから…
どうか、あいつを_____
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。