第24話

Newlyweds, Brown, Orange
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2025/12/21 11:45 更新








Newlyweds(新婚夫婦)







ドルチェ・アルカラム
二人の仲を深める時期なのに、あたしたちがお邪魔しちゃって良いのかしら
イキシア・アルカラム
ですよね、しかも男女っすよ?極論ダブル不倫に発展するかもしれない組み合わせっすよ
ヴァイス・アルカラム
そんな発想がすぐ出てくるって事は、まさか……
イキシア・アルカラム
んな訳ないじゃないっすか!
スター・アルカラム
うふふ、そうですよ。私もイキシアさんも、お互い恋愛対象として見てませんから

新婚夫婦のヴァイスとスター、独身のイキシアとドルチェ。

今回やって来たのは、ごく普通の水族館。ここに麻薬カルテルの幹部が来るという情報を掴み、現場を押さえるべく客として来ているのだ。
ドルチェ・アルカラム
どうするの?別れて行動する?
ヴァイス・アルカラム
そうですね、あなたたち二人はとにかく目立ちますから、怪しいと思った人間の側に徹底的に近寄ってください
スター・アルカラム
私たちは遠くで監視しながら、その周囲に怪しい人がいないかチェックしますので
ドルチェ・アルカラム
良い作戦だわ。じゃあ行きましょうか、イキシア
イキシア・アルカラム
はいっす!

元気よく返事をするイキシアに、ドルチェは女神のように慈悲深い微笑みを向けて言った。
ドルチェ・アルカラム
犬系男子も可愛いけれど、エスコートは頼んだわよ。紳士の嗜みだもの、それくらい余裕よね?
イキシア・アルカラム
はいっす……
ドルチェ・アルカラム
アラ返事が萎んでるわよ。今日一日でレディーへの接し方とエスコート、紳士としての立ち居振る舞い、全て徹底的に叩き込んであげるから
イキシア・アルカラム
でも任務が
ドルチェ・アルカラム
そのくらい任務の最中に終わらせるわ

イキシアにとってスパルタ特訓デーになってしまった。

暗いオーラを漂わせ、従姉妹を相手に慣れないエスコートをするイキシアに、ヴァイスは内心で合掌する。
ヴァイス・アルカラム
それじゃあ僕たちも行きましょう。エスコートもちゃんとしますよ
スター・アルカラム
あら、してくれるんですか?
ヴァイス・アルカラム
紳士として当然です。お手をどうぞ、スター
スター・アルカラム
ありがとうございます、ヴァイス

手慣れていそうな声と仕草とは裏腹に、照れくさそうに頬を赤くしながら手を繋ぐ二人。

周囲の客たちが(何だあの可愛い二人連れ末永く爆発しろ)とキュンキュンしながら見守っていたのは内緒だ。






ドルチェ・アルカラム
イキシア、「あの魚とっても綺麗よ!」
イキシア・アルカラム
「どうする、あの子と一緒に写真撮る?」

二人は目で合図し、スマホで自撮りをする。その背景には、ドルチェが直感で怪しいと感じた男が映っていた。

今のは暗号だ。

「あの魚とっても綺麗よ」が「あの人が怪しい」
「どうする、あの子と一緒に写真撮る?」が「対象をピースサインで挟んで写って」

の合図である。
ドルチェ・アルカラム
綺麗に撮れたわね
イキシア・アルカラム
これで三人目。結構怪しい人が多いっすね
ドルチェ・アルカラム
全員幹部の可能性もあるわ、油断は禁物よ
ドルチェ・アルカラム
スターたちの方は大丈夫かしら、デートを楽しんでくれていると良いけど
イキシア・アルカラム
っすね、新婚さんらしい事してほしいっすもん

再び腕を組み直し、さり気なく辺りを見回しながら歩き出す二人。

片や老舗の風俗店の看板嬢、片や潜入のプロ。どこからどう見ても『ちょっと付き合い長めなカップル』に見える。
ドルチェ・アルカラム
次はどこ行く?
イキシア・アルカラム
お好きな展示からどうぞ
ドルチェ・アルカラム
及第点
イキシア・アルカラム
「僕はカクレクマノミを見に行きたいけど、君はどう?」なら優・良・可、どれっすか
ドルチェ・アルカラム
良ね。優は人によって違うわ
イキシア・アルカラム
女心難しすぎません……?

辟易顔のイキシアが面白いのか、ドルチェは上品な笑い声を上げた。
ドルチェ・アルカラム
全く同じ人間がいないんだから、エスコート文句も千差万別あって当然じゃない。普段の話からどういう台詞回しが好みなのかリサーチするのよ
イキシア・アルカラム
さすが『藺草水仙イグサスイセン』のドルチェ様、恐れ入ったっすよ
ドルチェ・アルカラム
……『毒の賢女』とか『藺草水仙イグサスイセン』とか、大袈裟じゃないかしら
イキシア・アルカラム
大変よくお似合いです……イテッ

イグサスイセンは水仙の一種で、ジョンキルという名称の方が知られている。

水仙の中でも特に強い香りを持つが、水仙なので、お察しの通り毒を持っている。
ドルチェ・アルカラム
余計なことを言う口は縫っておこうかしら
イキシア・アルカラム
冗談ですって……あ、「あの魚とっても綺麗じゃない?」
ドルチェ・アルカラム
またそうやって誤魔化して。「あの魚と一緒に写真撮ってあげるわ」







ピロン、と通知音が聞こえた。

スマホを確認すると、チャットアプリに自撮り写真が何枚か送られてきている。楽しそうに笑っている従兄弟たちだ。
ヴァイス・アルカラム
……ずいぶん満喫しているようですね
スター・アルカラム
ああ、ピースサインに挟まれて写っている人が容疑者だそうです。通りで指の間隔がおかしいと思いました

送られてきた写真は全部で五枚。

続くメッセージには、
ドルチェ・アルカラム
『全ての展示エリアを回って、直感で怪しいと思ったのはこの五人。レストラン、お土産コーナー、ショーエリアは未確認だけど、ひとまず報告ね』
スター・アルカラム
と、とんでもないシゴデキですね!? もう全部のエリアを回ったって……
ヴァイス・アルカラム
足が速いですね、途中で見失うわけです
ヴァイス・アルカラム
それでは、顔と服装は覚えたので、一人ずつ探して会話を盗み聞いたりしましょうか

その言葉を聞いていたかのように、チャットにメッセージが送られてくる。
イキシア・アルカラム
『最初と二番目の男は裏社会と無関係の気の良い兄ちゃんでした。メアドも交換してます』
ヴァイス・アルカラム
ええ……?直接接触したんですか、イキシア
スター・アルカラム
稀に見るコミュ強ですね、黄色の一族でもこの短時間で仲良くなって情報を吸い上げるのは難しいのに

茶色の一族のあまりのコミュ強っぷりに、ヴァイスたちは顔を見合わせる。
ヴァイス・アルカラム
まだ見ていない方のエリアに行きましょうか
スター・アルカラム
そうですね、ではショーエリアに。こんな早い時間からお土産コーナーに行くのは少し不自然ですから
ヴァイス・アルカラム
なるほど……、スターは頼りになります。本来なら僕がエスコートする立場なのに
スター・アルカラム
そんなこと気にしないでください!今回はそもそも任務ですし、気持ちだけで嬉しいですから!

なぜかしょんぼりした顔の大型犬がスターの脳裏を過ぎる。






イキシア・アルカラム
……二人はショーエリアに移動するみたいっす
ドルチェ・アルカラム
あら、悪い子ね。盗聴器でも付けているの?
イキシア・アルカラム
もちろん!任務は任務っすけど、その前に新婚さんにはデートを楽しんで貰いませんと

この数分後、盗聴器に気づいたヴァイスの鬼電を無視したせいで任務後にひどい目に遭うのだが、それはまた別の話。

それなら少し早い昼休憩にしてしまおう、とイキシアとドルチェはレストランに向かった。
ドルチェ・アルカラム
お金はあたしが出すわ
イキシア・アルカラム
ええ?ここは男の自分が払うべきでは?
ドルチェ・アルカラム
金は天下の周りもの、巡り巡って自分に帰ってくるのよ。あたしに払わせてちょうだい
ドルチェ・アルカラム
でも普通の女性とデートするなら、今の対応が正解よ

一番奥の席に案内された二人。置いてあったメニューを眺め始めるが、すぐに店内にいる客の違和感に気づいた。
イキシア・アルカラム
……何かおかしくないっすか
ドルチェ・アルカラム
ええ、いかにも『本職』って感じの人間が多いわね
イキシア・アルカラム
警察とCIAもいると思いますけど……店内の客はほぼ全員、麻薬カルテルの幹部と候補生って感じっすね
ドルチェ・アルカラム
何人か知っている顔がいるわ。私が担当したお客様じゃないけど、うちの店に二、三回来店歴がある
ドルチェ・アルカラム
ひとまず様子見するわよ

優雅に店員を呼び出し、注文を済ませるドルチェ。

料理を待つ間、先に運ばれてきたワインにも手を付けない。その中に毒が入っているかもしれないからだ。
ドルチェ・アルカラム
取引をする日にアルカラムが自分たちを狙う事を知って、罠にかけてきたのかもね。罠に詳しい空色の子が欲しいわ
イキシア・アルカラム
だとすれば、ワインに入っているのは睡眠薬か、しびれ薬の可能性が高いっすね。アルカラムの利用価値はバカ高いですから、交渉材料にしたいでしょうし
ドルチェ・アルカラム
どうする、イキシア?

周囲から注がれる視線の雨を、ドルチェは毛ほども気にせず微笑んだ。

やはり今回の任務は罠。CIAと思われる男たちが店員に追い出されている。店員までグルになってアルカラムを狙っているようだ。
ドルチェ・アルカラム
確かに、初めに狙ったのはこちら。返り討ちに遭っても仕方ないわ
イキシア・アルカラム
でも今はヴァイスさんとスターちゃんが居るんすよ。二人のデートの邪魔をする者は排除するべきっす
ドルチェ・アルカラム
そうね……いえ、逆に考えましょうよ。新婚夫婦があたしたちという人質を救出する任務にすり替えるのよ

ポカンとするイキシアに、ドルチェは『そうなった場合いかに二人の仲が進展するか』を力説する。
イキシア・アルカラム
ははあ、つまり吊り橋効果を狙うんすね
ドルチェ・アルカラム
正解♡

ドルチェはグラスにワインを注ぎ、慎重に口に含む。
ドルチェ・アルカラム
……後遺症が出るほどの毒は入っていないわ。アルカラムの毒耐性では幼少期につける、基本の毒ね
イキシア・アルカラム
じゃあ自分が飲んでも大丈夫っすね、いただきます
ドルチェ・アルカラム
自然に気絶してちょうだいね

その後、二人はワインをどんどん飲み、毒が効いたふりをしてテーブルに突っ伏した。

すぐさま他の客が立ち上がって手を伸ばしてくるのを薄目で見ながら、手足を厳重に縛られた二人はバックヤードに引きずり込まれる。

ポケットの中のスマホが震えるのを感じ、イキシアはスターが事態に気付いてくれるよう願った。







スター・アルカラム
……おかしいですね、メッセージが帰ってきません

同時刻、盗聴器に気づいて激怒したヴァイスは、イキシアのスマホに鬼電をかけていた。その剣幕は半径3m以内に誰も近寄れないほどだった。

しかしさっぱり繋がらないので、スターに頼んでメッセージを送ってもらっているところである。
スター・アルカラム
既読にすらなりませんよ。イキシアさんはメッセージが来たらすぐ確認するタイプの人なのに……
ヴァイス・アルカラム
僕が怒っているからですかね
スター・アルカラム
それでも、あくまで私からのメッセージです。既読くらい付けるのでは?
ヴァイス・アルカラム
確かに。では何かしらのトラブルに巻き込まれている、と見て良いでしょう。合流しましょうか
スター・アルカラム
でも、どこに居るか分かりませんよ
ヴァイス・アルカラム
相手は展示を全部見て回って、僕らがショーエリアに行くと知っていて、一般人ならお土産コーナーに行くのは早いと分かっているイキシアですよ
スター・アルカラム
なるほど、レストランですね!

さすがヴァイスです、とスターは夫の慧眼に深く頷いた。

早速レストランに向かうが、一般客がどんどん減っていく。それに比例して、どう控えめに見ても裏社会の人間が増えていく。

しかも、レストランの前には明らかに二人を待ち伏せている麻薬カルテルの幹部たちがいる。
スター・アルカラム
……どうします?
ヴァイス・アルカラム
手がかりが皆無な以上、正面突破で
ヴァイス・アルカラム
スターには髪の毛一本触れさせません、だからそんなに不安な顔しないでください
スター・アルカラム
私はヴァイスの心配をしてるんですよ
ヴァイス・アルカラム
僕があんな雑魚にやられると思ってるんですか?心外だな

少し拗ねた様子のヴァイス。慌ててフォローをしようと脳をフル回転させるスターだが、
モブ
オレらをダシにイチャついてんじゃねーよ!死ねリアju……アルカラム!

と非リアらしい幹部たちが襲いかかってきた。
スター・アルカラム
ヴァイス、危な……

スターの叫びは途中で途切れる。

一瞬で手早く全員を無力化したヴァイスは、適当に選んだ男の首を掴んで持ち上げ、
ヴァイス・アルカラム
僕らと同じ顔をした、茶髪の男と橙色の髪の女性の居場所を言いなさい

と尋問を開始した。

夫の腕前に驚きつつ、スターは幹部たちのポケットを探り、スマホをゲット。指紋認証でセキュリティを解除し、情報を探り始める。
モブ
だ、誰が言うもんか……
ヴァイス・アルカラム
無惨な死に方をしたくなければ、吐いた方が身のためですよ
モブ
無惨な死に方、だと……?そんなものは覚悟の上だ……!
ヴァイス・アルカラム
そうですか、では見せしめになってもらいましょう
モブ

バキ、ボキッ、と嫌な音がし、首を掴まれていた幹部は動かなくなった。他の幹部たちが顔を真っ青にする中、
スター・アルカラム
ヴァイス、これって

スターは人質(ドルチェたち)の情報を見つけた。
ヴァイス・アルカラム
ドルチェたちの情報です!さすがスター!
スター・アルカラム
レストランの奥にあるバックヤードに閉じ込められているみたいです。急がないと!

残る幹部たちを縛り上げ、急いでレストランのバックヤードに走る二人。

バックヤードに通じるドアを開け、奇襲に驚く麻薬カルテルたちを制圧しながら、微かに漂うドルチェの香水の匂いを辿る。

特殊な香りがひときわ強く漂う部屋を見つけ、ドアを壊し気味に乱入した。
スター・アルカラム
お二人とも、大丈夫ですか!? 
ドルチェ・アルカラム
あらぁ、思ったより早かったわね、二人とも
スター・アルカラム
!?!?!?!?!? 

そこには麻薬カルテルのメンバーを椅子にして座るドルチェの姿があった。

後ろ手に縛られてはいるが、アルカラム相手にそんな杜撰な拘束をするとは思えない。
スター・アルカラム
え、えぇっと、どういう状況ですか、これ……?
ヴァイス・アルカラム
僕も聞きたいです……

顔を見合わせる夫婦に、ドルチェは快く説明を始めた。
ドルチェ・アルカラム
どういうも何も、こんな密室にあたしを閉じ込めて、中にいる人間が無事なわけ無いでしょう?
ドルチェ・アルカラム
この部屋にいる麻薬カルテルのメンバーは、既にあたしの言う事しか聞かない洗脳状態にあるわ。尋問するなら今よ
ヴァイス・アルカラム
そういえば、橙色の一族は特殊な香水と体臭を組み合わせた、半ば洗脳に近い技術を持っているんでしたね……
スター・アルカラム
だから後ろ手に縛られているだけなんですね。ところでドルチェさん、イキシアさんはどこに?

部屋にイキシアの姿がないことを訝しんだスターが訊くが、
イキシア・アルカラム
ドルチェさーん、大丈夫っすかー?

自分たちが入ってきたドアから現れたのを見て、質問を撤回する。
スター・アルカラム
イキシアさん、無事でしたか!
イキシア・アルカラム
ええ無事っすよ。向こうの部屋に閉じ込められてたんすけど、縄の縛りが少~し甘くてですね
ヴァイス・アルカラム
あなた、指さえ動けば縄ごとき切り刻めますしね……

イキシアは自然にドルチェを立たせ、手を縛っていた縄を切り刻む。

もちろん、新雪のような肌には一切傷をつけていない。
イキシア・アルカラム
意外と早かったっすね
ドルチェ・アルカラム
ね、驚いたわ
ヴァイス・アルカラム
連絡がつかなくて焦りましたよ……ああそうそう、イキシア

ヴァイスの声が一段と低くなる。

新雪どころか吹雪に巻き込まれたような顔になったイキシアは、震えながら蚊の鳴くような声で返事をした。
イキシア・アルカラム
な、何でしょうか……?
ヴァイス・アルカラム
あなた、僕に盗聴器を付けていましたよね?
イキシア・アルカラム
ドルチェ姉さん助けてください
ドルチェ・アルカラム
嫌よぉ、あたしは何も知らなかったもの

そう言われた刹那、脱兎のごとく走り出すイキシア。しかし瞬間移動並みの速さで回り込んだヴァイスに敢え無く捕まってしまった。
ヴァイス・アルカラム
じっくり理由を聞かせてもらいましょうね
イキシア・アルカラム
助けてくださいっす、奥方様ぁ……
スター・アルカラム
うーん……難しいですね……

蜘蛛の糸は降りてこなかった。

そのままイキシアの襟首を引っ掴み、バックヤードから一時抜けるヴァイス。引きずる音と助けを乞う声が段々遠ざかっていく。

女性陣は呆れた顔を見合わせると、すぐに匿名で警察に通報した。







スター・アルカラム
ふう~……終わりましたね
ドルチェ・アルカラム
お疲れ様、スター。ココアでもどうぞ
スター・アルカラム
あ、ありがとうございます!

通報した後、水族館にはパトカーが何台も来て、急遽閉館になる大騒ぎになった。

逮捕者は二十人を超え、死者が一人、バックヤードなどの修理がそれなりにかかるため、しばらく閉館になるという。
スター・アルカラム
ちょっと悪いことしちゃいましたね
ドルチェ・アルカラム
悪いのは麻薬カルテルの人間であって、あたしたちじゃないわ。むしろ麻薬の取引を阻止したんだから、警察から感謝状をもらっても良いくらいよ
スター・アルカラム
それはそうですね。それにしても、イキシアさんとヴァイスは一体どこに行ったんでしょう
ドルチェ・アルカラム
さっきから探してるのに見当たらないわね

辺りを見渡しても、ヴァイスたちの姿はない。

警察官が何人も現場を走り回っているから、捜査されないよう既に帰ったのだろうか?
スター・アルカラム
でも、ヴァイスが私を放って帰るとは思えません
ドルチェ・アルカラム
そうよね。どこに隠れているのかしら
ヴァイス・アルカラム
……ああ、すみません。心配をかけました
スター・アルカラム
あ、もう!探したんですよ、二人と……も……

スターの語尾が風に溶けて消える。

外傷はないが、ヘロッヘロになったイキシアがヴァイスに担がれていたからだ。言葉の刃にしばき回されたに違いない。
イキシア・アルカラム
ううーん……
ドルチェ・アルカラム
こってり絞られたみたいね、イキシア
スター・アルカラム
これに懲りたら、勝手に人に盗聴器なんて付けないでくださいね
イキシア・アルカラム
反省してるっす……







イキシア・アルカラム
あーひどい目に遭った……
ヴァイス・アルカラム
反省していなさそうなイから始まってアで終わる四文字の人にお話があります
イキシア・アルカラム
反省してます!反省してま……ウワァアアアアア!!!!!! 








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