私には夢があった。
今こうして働いているということは、もちろん夢破れてしまったのだけれど。
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〜7years ago〜
たまたま友達とショッピングをしていると、たまたま芸能事務所の人からスカウトされた。
たまたまその友達は韓国語がわかったから、たまたまその事務所に入社することができた。
流れるように入社して、練習生になって、韓国で宿舎生活をして。
この頃はまだデビューなんてほど遠い話だったから、ただ練習生生活が楽しかった。
けれど、そんな私についにデビューの話が舞い込んできたのだ。
私はデビューのために体型管理やレッスンを普段の倍以上頑張ったけれど。
悲しいことにこの話は政治やらなんやら、脱退やらなんやらで白紙になってしまった。
「サナ、6人組ガールズグループでデビューしないか?」
「サナ、オーディション番組に出ないか?」
社長が私を期待させるたびに、神様の悪戯かと思うほどその計画は白紙になった。
ごめん、なんて。そんなこと言われたって、私は__。
日に日にやつれていくのが自分でも分かった。
私は公開練習生だったから、私の名前でエゴサをすると心配する声も多かった。
退社も視野に入れた、そのときだった。
練習室に行くために社長室の前を通ったとき、そんな会話が聞こえてきた。
会話の一方は社長、おそらくもう一方は今を輝くトップアイドルのナヨンさん。
社長があの後、何を言おうとしていたのかは分からない。
けれど、社長に何か気がかりがあるのは確かだった。
その後、いつものように社長から「サナ、ソロデビューしないか」と言われた。
私はいつものように「はい」と返したが、その笑顔は引き攣っていたかもしれない。
デビュー曲のレコーディングをして、ダンスを練習して、ショーケースを用意する。
忙しない毎日を送るなか、どこかどうせこの計画も白紙になるだろうと思う私もいた。
けれど、私はついに。デビューを果たすことができたのだ。
そして、その曲は思いがけず大ヒットした。
いくら練習しても上手く発音できなかった私の「shy shy shy」がなぜかウケたようで、私は毎日のように音楽番組やバラエティ番組に出演した。
音盤の記録も物凄くて、デビュー曲でのミリオン突破はナヨンさんに続き二例目だそう。
プロデュースしてくれたのは前に社長と会話をしていたナヨンさん。
その後もカムバックはナヨンさんがプロデュースしてくれた。
少々カムバックの準備期間が短いのが大変だったけれど、それでも夢のアイドル生活はとても楽しかった。
そんな私の転機は、デビューして2年が経った頃。
鳴り止まない携帯の通知。
そう、サセンが増えたのだ。
その量は次第に増えていき、夜も眠れないほどだった。
サセンによる連日の寝不足、ストレス。
体力やモチベーションがみるみる下がっていくのが、自分でも感じられた。
それは、雷が鳴り響く真夜中の出来事だった。
事務所から宿舎に戻っていると、身に覚えのない人から声を掛けられた。
本当に、本当にギリギリのところで通りがかった人に助けてもらったけれど、それ以来雷や通知音といった言葉を耳にするたび、あの日の出来事がフラッシュバックしてしまう。アイドル生活は愚か、しばらくは普通の人間としての生活もままならなかった。
引退をしたいこと、合わせて事務所を退所したいことを電話で社長に伝えると、社長はどこか分かっていたかのような、そんな返事をした。
ああ、まただ。
私は何度も何度も無責任な言葉で未来を期待させられて、それでもって「ごめん」って単純な言葉でそれを崩壊させられて。
今回は期待させられる時間も長かったから余計に酷だ。
けれど、落ち込んでいる時間も無駄だと思った。
デビューしてからは久しくしていなかった勉強を必死にして、何とか一流と呼ばれる大学に入学した。
幸い私は若い年齢でデビューしたから、中学、高校、そして大学と進学してきたみんなと同じ年で卒業することが出来た。
それから今の会社に就職して、いつのまにか部長になっていて...と今の通り。
もう、昔の"サナ"はいない。
一般人の"湊崎紗夏"として普通に生活できている今が、何よりも幸せだった。
そんな私にも、ひとつだけ心残りがある。
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~3years ago~
2度目のカムバックをして、様々な活動に追われているとき。
ソウルでペンサが行なわれた、ある日のことだった。
その女の子が目の前に座った瞬間、私は息を呑んだ。
なんて綺麗な瞳なんだろう。
活動期間中のハードなスケジュールに疲れきった私の眼とは違う、汚いものを何ひとつ映さない綺麗な瞳。
綺麗な顔立ち、私よりも高い背丈、拙い韓国語。
全てが魅力的で、アイドル側は私なのに思わず黙ってしまった。
彼女の綺麗な瞳を見つめ、頷きながら話を聞く。
「Cheer up!」
こんなに素敵な子にまで勇気をあげることが出来ていたなんて。
嬉しくて、嬉しくて、たまらなかった。
スタッフに促され、彼女はすっと席を立つ。
その動作さえも、どこかの国のお姫様のように美しかった。
だ い す き
立ち上がった彼女が、確かに日本語でそう口パクした。
彼女はにっこりと微笑んで、ブースを去っていった。
...って、あ!名前!
「To my candy ♡ 」
仕方なく、アルバムにはこう書くことにした。
candyは私のファンダム名。
けれど、私にとって彼女がただのcandyでは無いのは確かだった。
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ってなわけで、名前も知らない彼女に会えるかもしれないという淡い期待を込めて、アイドルに関連する企業に就職したのだが...。
もっとも、純粋無垢で幼くて綺麗なあの美少女...言ってしまえば私の初恋の人には当然会えそうにない。
代わりに、妙に私に懐いてくる厄介な美女は後輩に1名、いるのだが。
そういえば、あの子とツウィちゃんは少し似ている気がする。
顔、スタイル、そして雰囲気。
まあ、1番大事な性格の部分がまるっきし逆なのだが...。
そう言うと、自分の席へ戻り爆速でタスクをこなしていくツウィちゃん。
やればできる子なのに、全くもう...。
この子に振り回されているうちは、どうやら初恋の人には会うことはできなさそうだ。
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おはようございます、みんです。
...なんて挨拶してたんですね!笑 本当にご無沙汰しております。みんです。
失踪しがちな私ですが、今回の失踪はもう国際指名手配案件ですね。大変申し訳ございませんでした。
反応を頂く度に何度も何度も書こうとしていたのですが、どうしても書くことが出来ませんでした。ただ、たまたま今日は筆が乗ったんです。何故でしょうね...。
そして、ひさ〜しぶりに1話から読み直したのですが...そりゃあもう下手くそで下手くそで笑
失踪中に別ジャンルで鍛えてきて少しは文章が上手になったんじゃないかなって思ってます☺️
失踪を正当化するなとか言わないでください☺️
さて、私はpixivでも別名義で活動しているのですが、プリ小説は本当にたくさんコメントをくださる方が多いと思います。書き手として、私は直接頂くメッセージが1番嬉しいなと、そう感じています。
つまり、プリ小説というこの場所の居心地が悪いなんてことは一切ございません。
これからも私のペースで更新していくので、温かく完結までちゅさちゃんたちを、そしてみんを見守ってくださるとしあわせです🪽🫧
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。