やっぱ、見えてるんだ。
……良いね。メガネなしでも見えて。
私はどんな状況でも、このメガネがないと見えないんだよ。
そんな私がここに立つ資格がないことぐらい。自分が1番分かってる。
それでも。戦えるのは今この場で私だけ。
突っ立ってる男たちの中でも数人見えるヤツがいるようで、恐怖で怯えている。
……あぁ。頭痛い。
声を低くして言えば恐怖で怯え、廃ビルから出ていった。
……さて。
アイツらが逃げたところで退路を塞がれた。
カエデちゃん達を逃がす時間はない。
…… けど。
一瞬で呪霊の懐に入り、ナイフを思い切り振りかざした。
ピクピクと動く呪霊。
やがて動かなくなり消えていった。
それだけ言い、私はその場に崩れ落ちた。
そんな私のもとに、カエデちゃんと神崎さんが駆け寄ってきた。
彼女の言葉に何か返す余裕などなく、唇を噛み締め痛みに耐える。
……これだから。呪霊を祓うのが嫌なんだ。
痛みに抗っていると、聞こえてきた女性の声。
私の前に屈む気配。
ゆっくりと顔をあげると、顔に大きな傷跡のある女の人がいた。
ナイフから呪力を感じ取ったのか。
ナイフを見て目を見開く。
……この人、呪術師か。
カエデちゃんがさっきまであったことを説明する。
それを聞くと女の人は私の顔を覗き込んだ。
次第に頭痛も収まってきて、起き上がって彼女の顔を見た。
まじまじと私の顔を見て考え込む。
……よく見れば、私も何だか見覚えがあった。
……あのクズ。
そのひと言で誰のことを言っているのか分かってしまった。なんか悔しい。
同時に、彼女のことを思い出す。
何かを思いついたように目を見開く。
私の答えで確信がもてたのか、そっと私を抱きしめた。
兄さん関連で苦労してる人多すぎでしょ。
同情の余地しかない。
ボコボコにされた男の襟元を掴みながら、
カルマや他の班員達が入ってきた。
いやガラ悪くない?
歌姫さんびっくりして叫び声あげちゃったじゃん。怖がりはなおってないんだね。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!