第16話

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19
2026/08/12 23:13 更新



 遠く離れたビルの屋上から、

 朝焼けに染まる街を見下ろしていた



 冷たい朝風が頬を撫でる

 視線の先、小さな公園のベンチには、



 ふたりの影があった



 あの日、俺の手で冷たく突き放し、

 地面へと叩き落としてしまったはずの、



 傷ついたツバメ




 浮かべている表情は、暗闇の底で震えていた頃のそれじゃない

 眩しいほどの光を受けながら、

 もう一度前をむこうとする、


 あたたかな瞳だった



……良かったな



 溢れそうになった言葉を、

 風の中に溶かすように呟く


 本当なら、俺がその手をとってやりたかった

 本当なら、俺が隣でずっとその笑顔を見ていたかった



 けれど、血の硝煙に塗れた俺の傍に置いておくことこそが、


 あいつの命を脅かす最大の毒だった




 だから、悪者になる道を選んだ

 冷酷な言葉であいつの翼を折り、

 この暗い世界から追い出した

 あいつに恨まれ、拒絶されることでしか





 あの命を守るすべを知らなかったから




(お前の翼を折った俺には……もう、隣に立つ資格なんてない)



 雲雀があいつの手をとり、歩き出す

 その背中は真っすぐで、

 太陽のように温かい風を纏っていた

 あいつなら、俺が奪ってしまった空を、

 もう一度見せてくれる













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……飛べ、ツバメ



 背を向け、

 影の中に消えていきながら、

 俺は静かに目を閉じた




❥⋯NEXT

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