第29話

第二十七話 固まる決意
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2025/08/17 10:00 更新
夜、皆が寝静まった時間に台所へ向かった
スマホのライトで辺りを照らしながら歩いていた


 
天馬咲希
天馬咲希
 (大丈夫、やれる) 
天馬咲希
天馬咲希
 (絶対に⋯真犯人を⋯ 
 殺せる⋯、から⋯)


 
スマホを持つ手がプルプルと震え出した
もう片方の手で抑え、深呼吸をした


 
真犯人を殺せば、罪を償える。許して貰える
今からする事は、正しい事だから


 
天馬咲希
天馬咲希
 (大丈夫⋯大丈夫⋯) 


 
自分に言い聞かせるようにしながら、台所へ着いた
棚に手をかけ、包丁を取り出そうとした時


 
天馬司
天馬司
 咲希、どうしたんだ? 
 こんな時間に
天馬咲希
天馬咲希
 っ⋯⋯! 


 
ニコニコと笑った彼が暗がりから声をかけて来た
1番バレたくなかった人がそこにいる


 
動揺が伝わってしまわないように、
なるべく落ち着いて返事をした


 
天馬咲希
天馬咲希
 喉が、乾いちゃって⋯ 
天馬司
天馬司
 ⋯⋯その戸棚には 
 コップ、入ってないよ 
天馬咲希
天馬咲希
 そ、そうだよね⋯! 
 暗くてよく見えなかった 
天馬咲希
天馬咲希
 お兄ちゃんは何しに来たの? 


 
話題を変えようと思い、そう口にすると
彼は、ジッとアタシを見て言った


 
天馬司
天馬司
 別に⋯⋯何も 
天馬司
天馬司
 物音がしたから 
 見に来ただけだよ 
天馬咲希
天馬咲希
 そっか⋯⋯! 
天馬司
天馬司
 ⋯じゃあ、もう寝るね 
天馬咲希
天馬咲希
 うん⋯!⋯⋯おやすみ 


 
彼が立ち去った後、
アタシはしばらく台所で立ち尽くした


 
天馬咲希
天馬咲希
 (作戦⋯⋯失敗しちゃった) 


 
《咲希の部屋》
部屋に戻って来ても、アタシは眠れずにいた
罪悪感のせいか、恐怖心のせいか⋯


 
天馬咲希
天馬咲希
 どっちにしても⋯⋯ 
 このままじゃ償えないよね 
天馬咲希
天馬咲希
 (どうしたら⋯⋯) 
天馬咲希
天馬咲希
 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯あ、そうだ 


 
それを思いついたアタシは、すぐにベッドから起き上がった
そして、机のライトをつけて手紙を書き始めた


 
アタシの決意は、強く固まっていた


 
《翌朝》
天馬司
天馬司
 咲希ー?
 まだ寝ているのかー? 
天馬司
天馬司
 むう⋯このままでは 
 遅刻してしまうぞ 


 
咲希の方へ声をかけつつも、そうボソリと呟くと
母が心配したように言った


 
母親
 昨日夜更かししていた 
 みたいだからねぇ⋯ 
天馬司
天馬司
 そうなのか? 
母親
 あら、司が様子を
 見に行ってたんじゃないの? 
天馬司
天馬司
 ん?オレは寝てたぞ 
母親
 そう⋯?じゃあ
 お父さんだったのかしら 


 
なんて話している間も、
咲希の部屋からは降りてくる気配が一切しない


 
痺れを切らしたオレは、
着かけていたジャケットをソファにかけ、咲希の部屋へ向かった


 
部屋の前に着き、再度声をかけた


 
天馬司
天馬司
 咲希、起きてるか? 
 遅刻してしまうぞ
母親
 ⋯⋯どう? 


 
ノックを数回鳴らしても、声をかけても返事は無く
後ろから着いてきていた母親に首を振るしか出来なかった


 
もう一度ノックして、部屋の中にいる咲希へ言った


 
天馬司
天馬司
 咲希、入るぞー 


 
やはり返事は無かった
仕方ないと思い、扉を開けた


 
部屋の中にいたのは


 
天井からぶら下げられたロープに首を掛け
宙ぶらりんとしている咲希だった


 
次回.もう何も無い


 

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