第8話

第八章 類似
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2024/05/21 15:39 更新
(なまえ)
あなた
全身が歪んでいるってそういうことでしたか
高口明菜
高口明菜
はい、特に顔の歪みが酷くて私の顔を見るたび、不気味に思う人が多くて、学校も通えませんでした
栗原
栗原
自分の顔の作りとよく似た絵を買う。お父様からしたらあまり気分のいいものじゃありませんね
雨穴
雨穴
でも、ヴァロンはフランスの画家ですよね。どうして同じになるんですか
(なまえ)
あなた
親族にフランス人がいるとか、いやないか
高口明菜
高口明菜
残念ながら親族は全員日本人です
雨穴
雨穴
ですよね
栗原
栗原
ちょっともう一度絵を見てもいいですか。気になることがあって
(なまえ)
あなた
あ、僕もいいですか。もしかしたら何か分かるかもしれませんし。雨穴さんはどうします?
雨穴
雨穴
私はもう少し明菜さんとお話がしたいのでこのままで大丈夫です。それに絵を撮ることはできませんからね
高口明菜
高口明菜
すみません、こちらの事情で。
それとお二人も行って構いません。部屋の場所は分かりますよね
栗原
栗原
では失礼します
(なまえ)
あなた
10分ほど経ったら戻ってきます
高口明菜
高口明菜
頼もしいご友人ですね
雨穴
雨穴
えぇ、私には勿体無いです
高口明菜
高口明菜
そういえば私と話したいことがあるんでしたね
雨穴
雨穴
明菜さん、これから話すのは推理未満の私の妄想です。もし不快な想いをさせたら申し訳ありません
高口明菜
高口明菜
どうしたんですか、そんなに改まって。気にしなくていいのよ
雨穴
雨穴
明菜さんのお父様、つまり高口京介さんについてです
場面は移り、1階自画像前
(なまえ)
あなた
やっぱり電気をつけていきなりこれはちょっとビックリしますね
栗原
栗原
確かにホラーゲームだったら動いてきそうですね
(なまえ)
あなた
でもこう見ると似てますね。明菜さんも身分も高く部屋も豪華だ。この絵に描かれている背景もかなり金がかかってそうだ
栗原
栗原
もしかしたら貴族か王族のようなものだったかもしれませんね
(なまえ)
あなた
もしそうだとしたらどうして美化して描かなかったんでしょうね。大体こういうのってよく見せるでしょう。ナポレオンだってロバに乗っていたのに馬に書き換えさせてたし
栗原
栗原
そうですね。それにどうして絵柄を変えたのかも分かりません
(なまえ)
あなた
ですよね〜むしろこんな顔ならボカして描いた方が多少は誤魔化せますもんね
栗原
栗原
誤魔化せる...ん、てことはつまり
(なまえ)
あなた
あれ、栗原さん?
栗原さんは部屋から飛び出し、壁にある絵をいくつも見比べた
(なまえ)
あなた
ちょっと栗原さんどうしたんですか、急に飛び出して。今回の絵はあの自画像でしょ。この絵は関係ないじゃないですか
栗原
栗原
そうか、じゃあつまり画家は
すると栗原さんは再び目を閉じ、下を向く
(なまえ)
あなた
お得意の推理タイムってことですかね
しかし今回の栗原さんはどこか悩んでいるようだった。喉に何かが詰まっているかのような、何かを躊躇っているかのような
栗原
栗原
原田さん
(なまえ)
あなた
な、なんでしょう
栗原
栗原
名探偵の条件ってなんだと思います?
(なまえ)
あなた
急ですね、うーんそうだなぁ。
やっぱり冷静な推理力じゃないですか?
謎が解けなければ探偵はいりませんよ
栗原
栗原
それも確かに重要なんですが、フィクションの世界に存在する名探偵は僕らにはない資質を持っています
(なまえ)
あなた
資質、才能みたいなものですかね?
栗原
栗原
はい、それは
栗原
栗原
たとえその答えで誰かが傷つこうと構わない、謎に対する姿勢です
その時、僕は栗原さんの意図は分からなかった。
ただ彼の表情は、したり顔で推理を発表する名探偵とは思えなかった

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