紫耀side
あの時、海人が動揺したのも
わざと嘘をついたのも
全部分かった
そりゃそうだよな
今まで仲良くしてた友達が
“ 今日からお兄ちゃん ” ってなったら
ビビるわ
海人はきっと
俺の父さんと海人のお母さんに余計な気を遣わせないように
気遣って
“ 俺と海人は知り合いじゃない ”
嘘をついたんだと思う
(紫耀のお父さんと海人のお母さんが出ていく)
海人side
良かった…
紫耀気づいてくれて
紫耀の声音には
半ば諦めたような音が混じっていた
多分紫耀も
何に対しての “ 頑張ろ ” か分からないまま言葉にしたんだと思う
俺だって分かんないよ…
こういう場合
何を頑張るのが正解…?
next.
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!