第23話

悲しい嘘。
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2026/06/05 11:09 更新










榎本梓
あ、安室さん!おかえりなさい!
榎本梓
今ね、あなたさんのモテっぷりに
ついて盛り上がってたんですよ
降谷零安室透
モテる… ええ、そうでしょうね
降谷零安室透
あなたさんは誰にでも優しいですから










ゼロはそう言いながら

手際よく荷物を整理し始めた。










一見するといつも通りの彼なのに

私はふと違和感を覚える










買い物袋から食材を取り出す所作が

あまりにも無駄がないというか、、

どこか「機械的」だった











ゼロの視線が、一瞬だけ

私の首筋あたりに注がれ、すぐに逸らされる











その視線の“意味”に

現役時代の勘が動いた










私はほぼ無意識に

自分の服の襟元に手をやった










すると、指先に

小さな、ごく小さな「異物」が触れる










白石あなた
… 安室さん、
降谷零安室透
なんですか?あなたさん










梓さんが厨房の奥に入ったのを確認した私は

その小さな金属片を指先でつまみ出し、

カウンターの上にコト、と置いた。










ゼロの手が、一瞬だけ止まる










白石あなた
これ、なんですか?
白石あなた
私の服についてたんですけど










これは、一般人なら分からないであろう、

けれど、私のような人間には

見覚えがありすぎる代物…













超小型の盗聴器だった










降谷零安室透
… ああ、そんなところに紛れ込んでいましたか










ゼロは動じる風もなく

それを指先で回収した










悪びれる様子もなく

その顔には隠そうともしない

「確信犯」の笑みが浮かんでいる









白石あなた
紛れ込んでいた、じゃありません!
白石あなた
安室さん、私たちの話、これで盗み聞きしてたんですか?
降谷零安室透
盗み聞きだなんて、人聞きが悪いですね
降谷零安室透
僕はただ、君に何かあった時に
すぐ駆けつけられるように見張ってただけです
白石あなた
それを盗聴って言うんです!
白石あなた
梓さんと変な話してたの、
全部筒抜けだったなんて…!










私が頬を膨らせて抗議すると

ゼロはふっと目を細め、

ぐいっと顔を近づけて来た








降谷零安室透
“変な話”?… ああ、
降谷零安室透
僕や松田達が、君のことをどう思っているか、という話ですね
白石あなた
っ、やっぱり!全部聞いてたんじゃない!
降谷零安室透
安心してください、
降谷零安室透
梓さんが言っていたことは、全部“気のせい”ですから
降谷零安室透
僕たちが君を心配するのは、学生時代からのよしみで、
降谷零安室透
君が放っておけないほど
危なっかしいからに決まっているでしょう?










そう言ったゼロの声は

驚くほど冷静で、そして

嘘のように優しかった _______













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