ゼロはそう言いながら
手際よく荷物を整理し始めた。
一見するといつも通りの彼なのに
私はふと違和感を覚える
買い物袋から食材を取り出す所作が
あまりにも無駄がないというか、、
どこか「機械的」だった
ゼロの視線が、一瞬だけ
私の首筋あたりに注がれ、すぐに逸らされる
その視線の“意味”に
現役時代の勘が動いた
私はほぼ無意識に
自分の服の襟元に手をやった
すると、指先に
小さな、ごく小さな「異物」が触れる
梓さんが厨房の奥に入ったのを確認した私は
その小さな金属片を指先でつまみ出し、
カウンターの上にコト、と置いた。
ゼロの手が、一瞬だけ止まる
これは、一般人なら分からないであろう、
けれど、私のような人間には
見覚えがありすぎる代物…
超小型の盗聴器だった
ゼロは動じる風もなく
それを指先で回収した
悪びれる様子もなく
その顔には隠そうともしない
「確信犯」の笑みが浮かんでいる
私が頬を膨らせて抗議すると
ゼロはふっと目を細め、
ぐいっと顔を近づけて来た
そう言ったゼロの声は
驚くほど冷静で、そして
嘘のように優しかった _______
新作出しました‼︎
是非見てください🫶🏻💗













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。