第26話

第26話:“俺がいるから、平気。”
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2026/04/12 09:00 更新
翌日。

教室に入った瞬間、
なんとなく視線を感じた。
あなた
(……なんか、見られてる気がする)
モブ子ちゃん
「おはよ〜!」
あなた
「おはよ!」
いつも通り笑う。

でも胸の奥は少しだけ落ち着かない。
席に座るとすぐ。
モブ子ちゃん
「ねぇ、あなた。」
モブ子ちゃん
「昨日、
りうらと一緒に帰ってたよね?」
あなた
「え……うん。」
正直に答える。

すると、周りの子たちも集まってくる。
モブ子ちゃん
「最近、めっちゃ仲良くない?」
モブ子ちゃん
「距離近いっていうか…」
あなた
(やっぱり気づかれてる……)
どう答えようか迷っていると――
りうら
「……あなた。」
後ろから、静かな声。

振り向く。

目が合う。

――昨日のこと、思い出す。
あなた
「……っ」
思わず目を逸らす。
モブ子ちゃん
「やっぱなんかあるでしょ〜!」
少しずつ空気がざわつく。

そのとき。
りうら
「……もういいだろ。」
落ち着いた声。

さっきまでの空気が少し変わる。
モブ子ちゃん
「え?」
りうらが、ゆっくり立ち上がる。
りうら
「詮索しすぎ。」
りうら
「困ってるの分かんねぇ?」
その言葉に、みんなが少し黙る。
あなた
(……りうら)
りうら
「別に隠してるわけじゃねぇ。」
りうら
「でも、
無理に聞くことじゃないだろ。」
声は強くない。

でも、はっきりしてる。
モブ子ちゃん
「……ご、ごめん。」
空気が少し落ち着く。
そのあと。
りうら
「……あなた、来い。」
小さく言われる。
あなた
「う、うん。」
教室を出る。
人気のない廊下。
りうら
「……大丈夫か。」
あなた
「え?」
りうら
「さっき。」
りうら
「嫌じゃなかったか。」
その言葉に、少し驚く。
あなた
(自分のことより、私のこと……)
あなた
「……大丈夫だよ。」
あなた
「ちょっとびっくりしただけ。」
そう言うと、
りうらは少しだけ安心した顔をする。
りうら
「……無理すんな。」
りうら
「嫌なときは言え。」
あなた
「うん。」
その優しさが、胸にくる。
少し沈黙。

でも、その空気は嫌じゃない。
あなた
「……でもね。」
りうら
「ん?」
あなた
「ちょっとだけ嬉しかった。」
りうら
「え?」
あなた
「りうらが、守ってくれたの。」
素直に言うと、

りうらが一瞬、固まる。
りうら
「……それ、言うな。」
あなた
「なんで?」
りうら
「調子狂う。」
でも、少し照れてる。
そのとき。
モブ子ちゃん
「ねぇ〜
二人で抜けてるの怪しくない?」
遠くから声。
あなた
「また来た……!」
少し不安になる。

でも。
りうら
「……平気。」
そっと、手を取られる。
りうら
「俺いるから。」
その一言で、全部落ち着く。
あなた
「……うん。」
教室に戻る。

まだ少し視線はある。

でも。
りうら
「……気にすんな。」
りうら
「何言われても、俺がちゃんとする。」
あなた
「……ありがとう。」
小さく笑う。
あなた
(恥ずかしいけど)
あなた
(でも、りうらがいるなら平気)

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