油断した……完全に…
「強気で煽ってきた割に弱いねぇ〜」
こんな弱い怪人に……
目の前の怪人は私にトドメを刺そうと
拳を振り上げた。
その時だった。
殴られる瞬間を見ないよう、目を瞑った真っ暗な視界の中
聞こえたのは私を殴る鈍い音ではなく
「ギャァァァァァア!!!!!」
怪人の悲鳴だった。
その叫び声に驚いて反射的に目を開けた時に目の前にいたのは
だめ
だめだめだめ
だめなのに
もう、人を好きにならないって決めたのに
嫌
こんなすぐ人を好きになったら
また酷い目に遭う
それはもう嫌なのに
目の前の人から目を離せられない。
黄色いスーツに真っ白のマント
いかにもヒーローという格好の人に目が釘付けになる。
そう言って手を差し伸べてくれた。
私は彼の手を取った。
とても温かい、優しい手だった。
あぁ……心臓の音が聞こえていないか不安で仕方ない。
心臓がもしかしたらこのまま破裂するんじゃないかと
疑うほどにはうるさい。
そう言って微笑んでくれる。
あぁ……やめて。
本当に好きになってしまう。
心臓の音がまた跳ね上がる
またどんどん鼓動が速くなる。
聞こえる、絶対に聞こえてしまう。
心臓の音がうるさすぎて聞こえてしまったのか……
いつも感情を殺しているせいで顔に我慢してる表情だけは
出るようになってしまった。きっと今も
バレないかと焦ったりこの人にドキドキしたりと
そのせいで顔を顰めていたのだろう。
そう言って行こうとした時
咄嗟に大きな声が出た。
呼ぶと、優しい声で振り返ってくれた。
もう一度、貴方に会いたくて
会った時、名を呼びたくて
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サイタマとの出会いを書かせてもらいました。
次もこれの続き?みたいなのを書きたいと思ってます!
応援してもらえたら嬉しいです🫶🏻️︎💕













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。