そんな私とナヒーダちゃんのやりとりを向かいの席で見ていた放浪者くんは、小さくため息をついてカップをそっと置いた
その言葉には少し呆れたようなトーンが混じっているのがわかる
急に話を振られて少し動揺してしまう私に、放浪者くんは目を逸らしながら小さくつぶやく
それだけ言うと彼はそっぽを向いて口を閉ざした
そんな様子を見たナヒーダちゃんは、紅茶を一口飲んでからくすっと口元を手で隠して笑った
その言葉に放浪者くんはピクリと眉を動かしたけど、返す言葉はなかった
わたしが小さく問いかけると、ナヒーダちゃんはいたずらっぽく目を細める
わざとらしくそう言って、また一口紅茶を飲むナヒーダちゃん
放浪者くんは完全に無言になってそっぽを向いた
放浪者くんは何も言わず椅子に沈み込んだけど、その耳だけが正直に色づいてた気がした
そう言ってにっこり笑うナヒーダちゃんの声に、放浪者くんは顔をしかめながらも渋々こちらに向き直る
その言葉を言い終えるより早く、静寂を破るように扉が軋む音が響いた
木の床が軋むたびに空気が少し震え、私たちは反射的にそちらへ顔を向ける
すると、彼の視線がかすかに自分に向いた気がして思わず肩がピクッと動いてしまった
散兵の視線が私をからかうように細められたその瞬間、放浪者くんの目がじわっと鋭さを増して、口元だけがわずかに動いた
その言い方はあくまで淡々としてるのに、明らかに言葉の奥に熱がこもってて散兵がふっと笑う
一歩詰める散兵とそれを避けずに受ける放浪者くん…睨み合うような距離で、どちらも引く気配はない…
そんな2人の間にピリピリとした火花が飛び交う中、ナヒーダちゃんがふわりとした足取りでそっと間に入ってきた
ナヒーダちゃんは小さくため息をついて、やんわりと微笑みながら私に目を向けた
私の言葉にナヒーダちゃんは小さく笑って頷くように言った
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。