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第1話

名も無き英雄、生還
25
2026/03/29 00:17 更新
何時間走っただろうか。辺りは暗闇に包み込まれている。
後ろに巨人達の姿は見えないが、
体力が限界を迎えている。
せめて壁辺りへ到達できればこのまま日が昇って巨人に喰われる可能性を少しばかり低くできる。
でも、もう壁を登るガスも無いが....
この出血量では、死ぬのが先か壁へ到達するのが先か分からない。
「...あれは...松明?」
見間違いであったとしても最後の希望だ。一か八かに賭けて松明の光に向かって走る。
「!!」
そこには104期の同期達がいた。
先に気づいたのは自分の走ってくる音をいち早く察知したサシャだった。
サシャ「あなた?!」
みんなに会えて安堵したからなのか、意識が遠のいていった。
次に目が覚めたのは次の日の朝だった。
昨日出血したところがズキズキと痛む。
クリスタ「良かった...生きてて...」
横を向くとクリスタが座っていた。寝ている間の看病をしてくれていたそうだ。
身体を起こそうとしたが、痛みで起き上がることもできない。
クリスタ「あまり無理しないでね」
と言い残し部屋を出ていった。
静かな部屋で一人寝たきり、というのは退屈だ。
もう一度寝ようかと考えていたとき、ドタバタとした足音が聞こえた。
ガチャリ、とドアが開いた時分隊長が駆け込んで来た。
ハンジ「うおおおおおおお!」
モブリット「分隊長!落ち着いてください!」
モブリット「騒がしくして申し訳ない、こんなことは前例がないから分隊長が興奮してしまった。」
「いえ、大丈夫です。」
モブリット「しかし、よく生きて帰れたな。」
「運が味方してくれたみたいです。」
ハンジ「壁外からどうやって帰って来れたか巨人はどうだったのか詳しく教え____」
モブリット「分隊長!相手病人ですよ!....君も、お大事にね。」
返事をする前に出ていってしまった。
また暇になってしまった。
流石にもう誰も来ないだろう。
さて、これからどうするべきか。
次の壁外調査はいつだろうか。早く治さなければ。
早く.....早く鎧の巨人を殺したい。
彼奴がいなければ....今こんな所でこんなことしていなかった。母さんと父さんと幸せに暮らしてたはずなのに。
やはりあの時殺しておけば良かった。
.....こんなこと考えても、過ぎてしまった時は戻せない。
流れる残酷な時の中で生きなければならない。
その生きる術を訓練兵団で学んだはずだ。
次回また会いましょう

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