前の話
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私を見るなり、明るく話しかけてきたのは、高校のときの親友だった優花だ。
朝、通知の音で目覚めた。
スマホを手に取り、LINEを開く。
予想外の人物からで、戸惑う。
萌絵とは、高校1年生のの時に同じクラスになったのがきっかけで、仲良くなった。
彼女のことは親友だと思っていた。大好きだった。
けど、彼女は美人で、性格も優しくて、人気者で、いつも周りに人がいた。地味で人見知りで友達も少ない私なんかが、隣にいていい存在じゃなかった。
だから、高校を卒業してからは少し疎遠になっていた。
だからこそ、突然彼女が私にLINEするなんて予想できなかった。
と返事を送った。
思わず、そう口に出していた。
優花は、いつもクラスの中心だったから。
…私は、いつもそれを隅から見てることしかできなかったけど。
萌絵からの返事はすぐに来た。
なにそれ。まるで私が行かなかったら萌絵も行かないみたい…。
いや、そんなはずない。私なんかのためにそんなことを言うわけがない。
…でも、勘違いだったとしても、そう言ってもらえて少し嬉しい自分がいた。
…どうせ、彼女は誰にでもこういう事を言っているんだ。勘違いしちゃダメだ。
やっぱり、すごく美人だなぁ…。
私なんかに話しかけてくれるなんて、本当に良い友達だ。
驚いて、私が聞き返すと、
ぽんぽん、と自分の隣の椅子を叩く萌絵。
私が席に座ると、私の正面にいた同級生の男子が、
なぜかそそくさと逃げるように席を移動する男子と、それをなぜかニコニコと見つめている萌絵。
変だな、と思って萌絵をじっと見ていると、萌絵と目が合った。
萌絵の冗談めかした口ぶりに、思わず私も冗談で返す。
私の言葉を遮って、驚いたようにこちらを見る萌絵。
あはは、と笑う萌絵。「なんでもない」と言われてしまったら、これ以上何も言えない。
千葉大…私の第一志望の大学だったところだ。
萌絵は受かったんだな、やっぱり萌絵は私にはもったいないくらいすごい友達だな…。
私に彼氏がいない理由。
それは…高校の時、好きな人ができてもみんな萌絵のことを好きになってしまうからだ。
でも、萌絵は同性の私から見てもすごく素敵だし、しょうがない、といつしか諦めていった。
どこか安心したように呟く萌絵。
萌絵と話したあと、他にも高校時代の友達の何人かと再会し、つい盛り上がって話していると、同窓会の幹事が呼びかけているのが聞こえた。
時刻を見ると、同窓会が始まってから1時間半も経っていたようだ。思い出話で盛り上がっていたから、あっという間のように感じた。
人がたくさんいる場所より、家でゆっくりしたかった。
家で映画でも見ながら飲もうかな…と思う。
萌絵は、私の言葉を聞いて少し悩んだような素振りを見せてから、












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!