「彼氏に振られた」「好きな人から嫌われた」
「大切な人に話しかけられなくなった」
それだけで不幸を嘆く奴に吐き気がする
愛が重いだの、メンヘラだの、ヤンデレだの、、
今の私にとってそれは「その程度」と思ってしまう
大切な人を失う、それはその人が死んでから言うべき言葉だ
二度と笑顔を見られない、二度と返事が返ってこない
この痛みと辛さはきっと、一生引きずることになるんだと私は思う
生きているならば、まだ希望があるじゃん
思わずそう呟いた
それでも思わずにはいられなかったから
今日もまた、バルコニーに立つ
天使の姿をしたウパパロンがそこにはいる
返事は返ってこない
当たり前だ、あれは偽物だから
それでも手を伸ばした、伸ばしてしまった
幻覚なのに、あいつはもう死んでいるのに
私はその手を掴むことができる
幻覚もここまでくると呆れてしまう、人はこんな風に感じる事もできるのかと
それよりも1番怖いことがある
今行っている行為が幸せと思ってしまうこと
この掴んだ手を離したくないと思ってしまったこと
…頭おかしいなってわかってた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!