バスが止まり、窓から見える景色を眺める
先生のその声を待ってましたと言わんばかりに降りていく生徒たち
それにつられて後方に座っていた私達も小走りにバスをおりる
さっきまで走って汗をかきながら暖かい暖房が効いたバスにいたからか、より寒さを感じる
何かを思い出したのか、バックの中を探り出す英
嬉しそうな顔をしながら何を出したかと思えば無地のマフラーだった
少し呆れたような感じて歩き出す金田一くん
金田一くんについて行こうとしたら
と言われながら肩をチョンチョンと叩かれる
英が小声だったため、それにつられて私も小声になる
微笑みながらマフラーを掴む英の手には小さなカイロがあった
先に進んで「さみい」とか言ってる二人を指さしながらカイロを渡してくる英
マフラーに埋もれながら笑う英の顔から視線が離れなかった
昨日、こんなに素敵な人と…キスしちゃったんだな
不意にもそんなことを考えてしまう
目を逸らしながらの照れ隠し。
手に持っていた暖かいカイロはポケットに入れて
2人にはしらを切った













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!