第6話

=͟͟͞͞♡
541
2026/02/16 10:45 更新









締め切り当日の朝

僕はいつもより少し早く出社した

昨日、無理矢理返されたぶん、どこか落ち着かない


でも、今日は1人じゃない



デスクに着くと既に人事部から資料が共有されていた


イ·ミンホ
最終確認、俺も一緒にやる
1人で抱えるな

本文は短い
それだけで胸の奥があったかくなる


午前中は経理側の最終チェック

僕はいつもの丁寧さで数字を追う
sm
…ここ整合とれてる……
lk
うん

隣の席にはリノヒョン
今日は人事フロアじゃなくて、経理側に来ている

lk
ここの計算式、念のためもう一回
sm
……はい…

2人で同じ画面を見て、同じ数字を確認する

前みたいに遅れてるって焦らない

今日は、並んでる

午後、最終提出

会議室に入る前、手が少し震える
sm
……もし……
lk
もしは考えない

リノヒョンは短く言ってドアを開けた

プレゼンは人事側が主導
でも、経理部分の説明は僕が担当
sm
…では、こちらが改善後のフローです……

声は少し小さい、でも止まらない
数字の裏付け
チェック体制の変更点
二重確認の削減

1つずつ、丁寧に、確実に



質疑応答


上司
この数値、信憑性は?

一瞬、空気が張る
でも、深呼吸して言う

sm
…3ヶ月分のデータで検証済みです、誤差は±0.3%以内に収まっています……

はっきり

静かに、でも自信をもって
会議が終わる

沈黙の後
上司
よくまとまってる
同僚
導入、進めましょう

承認


その二文字が、胸の奥に、どんと落ちる



会議室を出た瞬間
僕はやっと息を吐いた

sm
……おわった…?
lk
おわった

リノヒョンが、優しく、少し笑う
lk
いい仕事だった

その言葉を聞いた瞬間、目がじわっと熱くなる
sm
…ぼく……ちゃんと…できた……?
lk
ああ

迷いのない声
lk
速さじゃなくて、精度で勝ったな

それは僕にとって、最高の褒め言葉だった




エレベーターの中
sm
……ありがとう、ございます……
lk
何が?
sm
……ならんで、くれて……

リノヒョンは少しだけ間を置いてから言う

lk
最初から並んでた







その一言で僕の存在が、初めて肯定された気がした






プロジェクト終了の打ち上げは、経理と人事の合同で開かれた


居酒屋の個室、人の数も声の大きさもスンミナにとっては正直しんどい空間



sm
……ひと…おおい……

席に着いた瞬間から肩がぎゅっと上がってしまう

周りは職場の話や冗談交じりの軽いノリで盛り上がっている

同僚
スンミナ、飲むか?
sm
……あ…だいじょうぶ……

断るたびに、空気悪くしてないかなって不安になる

グラスを持つ手が少し震える


そんな様子にいち早く気づいたのがリノヒョンだった


スンミナの隣にさりげなく席をずらしてくる
lk
無理しなくていい
sm
…ぁ…りのひょん……でも…
lk
大丈夫、俺がいる

少しだけ、呼吸が楽になる




話題がプロジェクトの反省会ぽくなって、僕の名前があがる
人事
経理の確認、正直時間かかってたよね

一瞬、場の空気が止まる

僕はまた遅いって言われるんじゃないかと反射的に身構えた

でも、リノヒョンがすぐに口を開く
lk
時間かかってたのは事実、でもその分今回ミスゼロで通った

グラスを置いて、はっきり
lk
スンミナのチェックなかったら、人事側、2回は差し戻されてた

場の空気がふっと和らぐ
人事
あー確かに
人事
ありがとうございました!

遅い人じゃなくて、助けてくれた人として扱われる
sm
……ッ、ありがとうございます……


隣で小さく呟くと、リノヒョンは気にすんなと視線だけで伝えてくれた


途中、僕はトイレにたった
廊下の静けさに、ほっと息をつく


そこに、リノヒョンが追いかけてきた
lk
やっぱりきつかったか
sm
…ちょっと、だけ……

正直に言える相手がいるのは、すでに救いだった
lk
無理しなくていい、途中で帰ってもいい
sm
……でも、打ち上げ……
lk
もうほとんど終盤だ、スンミナが倒れることじゃない

あぁ、やっぱり優しい



2人して打ち上げを抜け、店を出て少し歩いたところで夜風にあたる
sm
……さっき…かばってくれた……
lk
事実言っただけ
sm
……でも…うれしかった……です…

僕は足を止めて、小さく続ける

ずっと聞けなかったこと



lk
仕事の仲間としても、、1人の人としても...

一歩近づいて僕の目を見る
lk
俺はお前が好きだ


胸がどくんと鳴る


じわじわと顔が赤くなるのがわかる

sm
……っ……ぼくも…

声が震えるけど、逃げない
sm
……すき……!




その夜、打ち上げの喧騒から離れた場所で、僕たちは仕事仲間じゃなくなった


守る人と守られる人じゃなくて、隣にいる恋人になった









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