第4話

偶然が偶然じゃなかった!?
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2026/02/18 09:57 更新
翌日。
私はというと、昨日の出来事を意識しすぎていた。
目が合いそうになるだけで逸らしてしまう。
話しかけられそうになると挙動不審に。
自分でも分かるくらい不自然だった。
休憩に入った時、後ろから小さく声がする。
天飛華音
天飛華音
あなたの下の名前、ちょっと来て。
振り向くと、天飛さん。
連れて行かれたのは、人気のない廊下の奥。
胸の鼓動がうるさい。
彼女はまっすぐ私を見つめて言った。
天飛華音
天飛華音
昨日の言ったこと、本気だよ。
一瞬で空気が変わる。
天飛華音
天飛華音
好きなの。
初めて会った日、一目惚れして話しかけたの。困ってるみたいだったから話しかけるチャンスだって思って。
(なまえ)
あなた
(え……?)
天飛華音
天飛華音
何回も会ってたのもね、
あなたの下の名前がいるかなって思って来てたから。
驚きで言葉が出ない。
あの偶然は、偶然じゃなかった。
彼女は少し息を吸って、続けた。
天飛華音
天飛華音
あなたの下の名前、付き合って欲しい。
どうしょうもなくあなたの下の名前が好き。
真剣な目。
舞台で見る強い光とは違う、少し不安を滲ませた瞳。
私は、しばらく固まっていた。
でもずっと前から、心は決まっていたのかもしれない。
(なまえ)
あなた
……私も、天飛さんが好きです。
声が震える。
(なまえ)
あなた
こんな私でよろしければ。
一瞬の沈黙。
天飛華音
天飛華音
ほんと!?やった〜!!
勢いがすごい。
その時、
礼真琴
礼真琴
ちょっと!
低くてよく通る声が廊下に響いた。
振り向くと、腕を組んだ礼さん。
礼真琴
礼真琴
稽古場まで聞こえてる!
かのん、声のボリューム考えなさすぎ。
私と天飛さん、同時にビクッ。
そして、揃ってシュン。
天飛華音
天飛華音
……すみません。
(なまえ)
あなた
……すみません。
礼さんは大きくため息をつくけれど、
口元はどこか緩んでいる。
礼真琴
礼真琴
おめでたいことだけどね。
一歩近づいて、真剣な顔。
礼真琴
礼真琴
もっと意識高くね。
絶対にバレないように付き合いな。
その言葉は、トップスターとして、
後輩である私達に向けられたものだった。
背筋が伸びる。
礼さんはクルリと背を向け、動き出す。
去り際、小さく。
礼真琴
礼真琴
……おめでと。
そう言って、手をヒラリと振る。
その背中があまりにもかっこよくて、
私と天飛さん、顔を見合わせて同時に囁く。
「「かっこいい〜……」」
そして小さく笑い合う。
ギュッと繋がれた手。
これからは、恋人として、
でも舞台や稽古場では、あくまでも星組の仲間として。
天飛さんがそっと囁く。
天飛華音
天飛華音
絶対、あなたの下の名前を幸せにするから。
その言葉に、私は笑顔で頷いた。
星の下で始まった恋は、
誰にも気づかれないように、でも確かに強く輝き始めた。

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