第139話

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2021/04/17 16:20
迎えに来たウンジと通り沿いまで歩くテヒョン。

腰に回された手なんかに全く気にも止めない。

ましてや、スマホのカメラを向けられてる事なんて、
気付くはずもない。


考えなしにあなたを助けに行ったのはいいが、
助けられなかった自分に情けなさと、
不甲斐なさを感じたのと、

一番は、目の前にいる、ハオンとあなたが手を繋出でる場面を
目の当たりにしたからだ。


『ハオンさん!ノウルさん!!
 お二人が仲良くしてるのを見ると、
 紹介した介がありました!!

 お似合いです…お幸せに…』
僕のせめてもの強がりだったが、
言いきるまでまで強がれなくて、
最後は泣きそうになった…

テヒョン(V)
テヒョン(V)
どうかせめて、
情けない僕があなたにバレてませんように…
パク・ウンジ(新マネ)
パク・ウンジ(新マネ)
何か言いましたか?
テヒョン(V)
テヒョン(V)
グスッ・・・・。
泣いてる僕を雨が隠してくれる。
僕はスマホを確認してみると、
ハオンとあなたの手つなぎ画像が目に飛び込んで来た。

そんな事を言っておきながら押さえきれない嫉妬心。

パク・ウンジ(新マネ)
パク・ウンジ(新マネ)
タクシー乗りましょうよ!
ウンジがタクシーを止めると、テヒョンはドアを開ける。
ウンジを先に乗せると、
テヒョン(V)
テヒョン(V)
すみません。彼女を○○スタジオまで。
それだけ言うとテヒョンはタクシーのドアを閉め、
出発しろとばかりに、タクシーをポンポンと叩いた。

中から何かを叫びながら窓を両手で叩くウンジ。

テヒョンはスタジオとは逆に歩き出した。

ひとりになって、ようやく自分が数人につけられている事に気付くテヒョン。

少し歩く速度を早くして、角を曲がると、
いりくんだ路地裏をしばらく走る。

すると、小さな教会を見つけた。
テヒョン(V)
テヒョン(V)
はぁ…はぁ…はぁ…
テヒョンは吸い込まれるように教会の扉を開く。
ミサが行われている。

礼拝堂に入るとまばらだが礼拝に来ている人達がいる。
両サイドにある、ベンチ状の椅子の端に
テヒョンはソッと座る。

30分程、まぎれるように居ると、
聖書や讃美歌でミサが終わると、礼拝に来ていた人は席を立つ。

場所が場所なだけに、
テヒョンは心を落ち着かせたかったが、
そう簡単にはいかない。

自分への苛立ちと情けなさ、あなたの想いが、
時間がたっても湧き出してくる。

すると、
神父
お二方、大丈夫ですか?
ミサは終わりましたよ?
テヒョン(V)
テヒョン(V)
あ…すみません。
大丈夫です。行きます…
そう言って立ち上がり、礼拝堂を出ようとすると…

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