※コリウスの夢編のネタバレが含まれます※
原作よりも時期を早めています、ご了承ください🙏
私が魔国連邦にそろそろ帰ろうかと思い始めた頃、唐突にユウキさんに呼び出された。
「それで、偽名はなんとなされるので?」
「サトル、あなたの下の名前?フンッまぁ詮索はやめておきましょう。ほれ、招待状が書けましたぞ。」
「いいですか、私が紹介するのはリムルとあなたという教師です。」
「当然です。
サトルやあなたの下の名前などと言う身元不明者が何をしようと我々の関知するところではない、と言う事です。」
「それでは私はこれで。」
毒トカゲに放たれた拳は、魔法で出来た分厚い氷に阻まれた。
リムルさんは手元から長い棒を取り出し、パウロに渡した。
「シフォン・アマディと申します。
ジェフ・シーガル伯爵の妹にして、我が夫…バラク・アマディの第一の妻ですわ。」
「まぁ、それはとても素晴らしいですわね。
是非とも当家でオモテナシさて下さいませ。」
「お客様をご案内して。」
「主人が待っております。」
「バラク、で構わんよ。
貴殿は妻の恩人、つまりはオレの恩人でもある。
遠慮は不要だ。」
「あの男は武人だが、品がない。
リムル殿の連れだから屋根は貸すが、贅を尽くして供する謂れはない。」
「あなた殿は礼儀作法がしっかりしておるからな。お招きさせて頂いた。」
「ご安心を。食事は用意させておりますので。」
「さて、腹芸は好まぬ。」
「貴殿はシフォンを連れ戻しに来たのかな?」
「違うのですか?兄はああ見えて、身内にはとても優しい方ですので…」
「ふむ。だとすると、ギルドに関する事だな?」
「我が国は最果ての守りを担うかわりに、これ各国から援助を受けています。
安全保障上、今の状況を思わしくないと考えているはず」
「ふむ。オレの立場からしたら、それは歓迎できん話だな。」
「夫は、サウザー王太子の腹心ですので、ご容赦くださいませ。」
「無論だ。貴殿らの行動を邪魔もせぬし、むしろ協力しようと思う。」
「明日、サウザー様にお目通ししよう。
あの方と接すれば、貴殿も正しい回答が得られるだろう。」
「そうか、残念だが無理強いはすまい。」
「それでしたら是非、ゼノビア王女にお会いくださいませ。」
「アスラン殿下とサウザー殿下の妹君です。
ゼノビア様は今、病にふせっていらっしゃいますの。」
「リムル様は高名なお医者様だと兄から聞き及んでおります。
あの人を褒めることなど滅多にない兄が、“ウラムスが助かったのはリムル先生のお陰だ”…と。
きっと、快癒の手立てが見つかると存じますわ!」
そして翌日。
「お似合いですよ。」
「…少し不快な思いをすると存じますが、何卒ご容赦くださいまし。」
グスタフ「これはこれは、侯爵夫人。
ゼノビア姫の御見舞いですかな?」
「ええ、グスタフ侍医長殿。」
グスタフ「それはそれは、後程私の所にと寄って欲しいものですなぁ。健康状態をお調べ致しますぞ。」
「侍医長殿のお手を煩わせるなど、恐れ多い事で御座いますわ。」
グスタフ「ぐっふっふ、遠慮は無用ですぞ。
…!、そちらは?」
「リムル様とあなた様と仰るのですがらとても珍しいお薬を持参しておられますの。
少しでも姫様のためになるならばと、無理を言って来て頂いたのです。」
グスタフ「ふぅん…下らん。
どの馬の骨とも分からん詐欺師を呼び込むとはね!」
グスタフ「ッ…不愉快だ。
陛下に奏上し、貴女方の愚かさを罰して貰わねばなりませんな!」
「平気よ。さ、行きましょう。」
「良かった、起きておられたんですね。
ゼノビア様、本日は紹介したい方をお連れしましたの。」
「こちらはリムル様とあなた様ですわ。
私の姉を治療して病を癒して下さった、とても素晴らしい御方ですの。」
待女に毒味を促し、それを口に入れれば…
「…まぁ!」
…美味しいよね、わかる…
「姫様!」
そしてまたバラクさんのところで食事していると、アスラン殿下がアポ無し凸して来た訳で…
バラク「久しぶりだな、アスラン殿下。
剣の腕は鈍っておらぬだろうな?」
バラク「違う、とでも?」
バラク「…いいえ、御座いませんな。」
「…国外に情報が漏れぬよう隠し続けておりますが、国王テドロン陛下と、病に伏せっているのです。」
〈…ハイ。
個体名:ニャルと同等の気配__悪魔族だと推察。〉
バラク「そう言えば、オレも。
いや…言われてみれば、なせま今まで陛下に会えぬ事を疑問に思わなかったのか?」
バラク「なっ!?
その発言、いかに殿下と言えど聞き捨てなりませんぞ!」
「アスラン殿下は、サウザー王太子が黒幕だとお考えなのでしょうか?」
バラクが自力で抜け出し、感動ムードの中。
思う節があった。
グスタフside
(…あのお方は、あのお方こそ、言い伝えにあられる方__“魔皇”様では無いか?)
グスタフ「そうと決まれば逃す手はあるまい。
あの方にゼノビアを依代として献上して、魔皇様も…ぐっふっふ。そうすれば私は…」
擬似的に女性として身体を作成し、お風呂に入って来た。
まさか使わしてもらえるとは思ってなかったし、別に無くても汗だとかなんだとかかかない体だから入らなくてもよかったんだけど。
風呂で温まった体が、夜風で程よく冷えていく。
〈背後に反応あり。奇襲です。〉
グスタフ「ふむ、避けてしまいますか。
仕方ありませんね、魔皇様もいつもわがままだったと聞く。まだ記憶がないのでしょう。」
〈次の攻撃が来ます!〉
グスタフ「ちょこまかと…」
グスタフ「ぐっふっふ。
大丈夫です、あのお方の元へ行くだけですから。」
そのまま、私は意識を手放した。
時折、私が誰かわからなくなる。
スライムのあなた?それとも人間のあなたの下の名前?
…それとも魔皇と呼ばれる存在なのだろうか。
夢を、見た事がある。
暗闇の中にいる、7人と私。皆、私と親しく話してくれる。
どんどん数が増えていって。
顔も、名前も…思い出せないけれど…確か、3人がいなくなって、それで…誰かと談笑しながら、…でも、記憶が抜け落ちている。
…わたしって、誰なんでしょうか。
あれは、夢と呼ぶにはあまりに鮮明で。
けれど、そんな事をした記憶も無くて。
私の前世とでも言うのでしょうか?
???side
「魔皇様にそんな事するなんて、ダメだなぁ。
ゴミは捨てちゃわないとね。」
「魔皇様、記憶も無いのにそんな事されて怖いよね。」
「魔皇様はそう言う事嫌いなんだ。ボクはよく覚えてるよ!」
「大丈夫、ちゃんと帰してあげる。」
「だからそれまで、ちょっとだけ。」
「おやすみ、魔皇様♩」
__あとがき。
思ってるよりコリウスの夢長い…!!
どうも九重と名乗っています。
楽しかった〜!
ちびちび考えてた設定出せてかなり満足。
書くの疲れました。対あり。
〈話に転生する?〉
▷ YES NO






















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。