小説更新時間: 2023/03/22 09:41

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あの日、再会した2つの黒。其れは何を示すのか。

あの日、再会した2つの黒。其れは何を示すのか。
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   中也side
 忘れもしないあの日。
『  』が、俺の前から姿を消した日。
俺は、31年もののワインを開けた。
それだけ嬉しかったのだ。
あれだけ大切にしていたものを開ける程に。
思い出してみると、見事に最悪な思い出しかなく、笑えてきたと覚えている。
しかし、何故か俺は泣いていた。
乾いた笑いを溢しながら、静かに。
唯只管に、何かを求める様に。
第三者が見れば異様な光景だろう。
その日、俺は決意した。
『  』を見つけたら、嫌と言うばかりに嘲ってやると。
『  』が見つかるという、一縷の希望を持って。
「こんなんじゃあ、本物の"狗"じゃねえか…。」
気づきたくなかった事に気づいてしまった。
『  』を追い求めて仕舞う自分が嫌になる。
『  』にどれだけ振り回されたかと自身に問いかけるも、思いは虚しく、フィルターにかけた様に色鮮やかなものと化した。
気づいてしまったからにはもう遅い。
責任を取って貰うしか道は無い。
「『太宰』、俺が迎えに行くまで、待ってろよ。嫌と言う程、振り回してやるからな。」

   太宰side
 あの日、僕は絶望を胸に抱えていた。
同時に、友との約束を守る為、ポートマフィアを抜けた。
何の未練も無い。そう思っていたのに…。
『  』の顔が頭にチラつく。
真夏の青空の様な綺麗で澄んだ青色。
僕よりもずっと人間らしい其の人格。
かなり癖っ毛でキャロットカラーな髪。
僕とは似ても似つかない君は、眩しい太陽の様な存在だった。
嫌がらせをしたり互いに罵詈雑言を言い合って、罵って、たまには笑い合って。
そんな犬猿の仲と言われる"相棒"という関係が、僕には心地良かった。
でも、あの日唯一の友を失った事により、僕は完全に心を閉ざしてしまった。
そして決意した。
過去を捨て光の世界の"太宰治"を演じると。
『  』や姐さん、芥川くん、勿論首領も。
全て忘れて生きていくと。
でも、多分僕は何時迄経っても光の世界の住人にはなれないと、僕は分かっていた。
一度闇の世界に足を踏み込めば、決して戻れはしない事を知っていた。
其の上で、僕は決めたのだ。
だから『中也』、僕、いや私が疲れてしまったら、ちゃんと殺してよね。
君は私の"狗"なのだから。

  

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全2話
1,768文字
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夏羽

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