第16話

捨て猫 Part2
387
2024/08/02 14:33 更新
あなた
ただいまー!、、、あれ、お仕事か。
ゾムくんを拾ってから1ヶ月ほどたった

基本家にいる彼は、あの時一緒にお迎えした猫ちゃんと寝てることが多い

たまにこうしていなくなる時は、いわゆるお仕事中らしい

仕事内容を聞いても詳しくは教えてくれない
ゾム
守秘義務ってやつや。
あまりしつこく聞いても機嫌を損ねるので、深くは聞けずにいる
にゃーん
あなた
あ、ごめんごめん。ご飯だよね。ちょっと待ってて!
私は猫ちゃんのご飯をとりにいく
えーと、今日は鳥ささみかカツオにしようかな、、、
そうやって棚を漁っていると、玄関が開く音がした
あなた
あ!おかえりー!
缶詰をカツオに決めてひとつとる

そのまま猫ちゃんと玄関に向かう
ゾム
なんや、帰ってたんか。
あなた
え!?どうしたのその怪我!!
帰って来たゾムくんは、肩を押さえて少し辛そう

肩からは結構な出血があったみたいで、服が真っ赤に染まってる
ゾム
転けた。
あなた
そんなわけないでしょ!!!
嘘をつくにしても下手すぎる

彼を慌ててリビングに連れてくると私は救急箱を探す
あなた
えっとえっと、消毒液と、、、絆創膏しかない。
ゾム
なー、腹減った。
あなた
まずその怪我どうにかしなきゃでしょ!!包帯買ってくるから大人しくしてて!!
私は財布を手に取ると、家を飛び出す

実は彼がこうして怪我をして帰ってくるのは初めてではない

初めての怪我は切り傷

それもかなり大きめ

明らかに普通じゃない怪我に救急車を呼ぼうとしたが、全力で止められた
それからはなんとか応急処置だけしてあげれるように、家に救急セットを常備しておくようになった

いつもなら包帯を巻いてあげるのだが、前回で使い切っていたのを忘れていた
あなた
さむい〜!上着着てくれば良かったなああ。
慌てて飛び出して来たので、外が寒いことを失念していた

ドラッグストアまでそう遠くないが、地味に応える


どんっ
あなた
あ、すみません!!
「いえ、こちらも前を向いてませんでした。失礼。」
曲がり角を慌てて曲がったさきで人にぶつかってしまう

よかった、丁寧な人で

軽く頭を下げて、私はふたたび走り出す

「、、、。」
その背中に視線を向けられていることには気が付かないままー



あなた
はー、寒かった!ただいま!
ゾム
おー、おかえり!ごめんななんか。
あなた
ゾムくんは気にしないで!私がしたくてしていることだし。ほら!手当するからここに座って!
ゾム
ん。
ゾムくんの身体は古傷が多い

一体どんな仕事をしてるのか

いや、傷跡を見れば大体予想がつく

刀傷、銃創、火傷のような跡まである

一体何と戦えばこんな傷ができるのか

一般市民の私には関わりのない世界だ
あなた
はい!終わったよ。
ゾム
さんきゅ!はー、やっとご飯食べられるわ。
あなた
相変わらず食いしん坊よね。まあ食べる元気があるだけいいと思わなきゃだね。
ゾム
そう言うことや!、、、ん?
あなた
どうしたの?
ゾムくんは私の肩あたりに手を伸ばす
ゾム
これ、、、!
あなた
なにそれ?何かついてた?
ゾムくんは何かをつまんでいる

よく見ようと手を出すが

そのまま潰してしまった
あなた
え!?虫か何か?
ゾム
、、、いや、まあそんな感じや。
明らかに態度が急変したゾムくん

何かまずい物でも付いてたのだろうか
ゾム
道中誰かに話しかけられたりしたか?
あなた
そんなことは、、、、あ!曲がり角でぶつかった人がいる!
ゾム
ちっ、くだらねぇまねしやがって、、、。
あなた
ゾムくん、、、?
ゾム
すまん、あなた。ちょっと出かけてくる。先食べててええからな。
あなた
え、ゾムくん!そんな怪我でどこ行くの!!
私の声に返事もくれないまま、部屋を飛び出していくゾムくん

にゃーん

部屋には手付かずの料理と私、そして猫ちゃんだけが残された
続く

※少し長くなりそうだったので、パートで分けます!

プリ小説オーディオドラマ