いやいや待て、落ち着くんだあなた…
上京して最初に入居した部屋がこれ………?
この……半裸男とねるねるねるね野郎と一緒の部屋…?
ははッ 冗談は良してくれよマドモアゼル
私は
『ち、ちょっと外の景色でも見に行こうかな、なぁ〜…あはは』
そういうと急いでその部屋から出た。
少し急ぎ足で近くのコンビニまで行くと、はぁと息を整えた。
中学の時の友達にメールでもしようかと思って出した携帯。
でも、よくよく考えてみればその子にも最後の最後に東京に出るって伝えたんだっけ。
そう思うと、何よ今更とか言われるのかなって考えちゃって私は携帯を何もせずにパタリと閉じた。
『あー、ハズレだよハズレ』
なんて、誰かに向けて言った言葉ではないけれど上を向いて言えば
なんとびっくり、これはこれは………
田舎ではあまり馴染みのないような見た目の不良さん。
《お嬢ちゃん危ないでちゅよ〜こんな所で1人は〜》なんて、真ん中のヤツが言えばケラケラと笑う他の奴ら。
ああ……これは
『オワッタ………』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!