いつもより小さい声で玄関をくぐったミナの顔を
見るなり、サナはすぐに立ち上がった。
慌てて体温計を取りに行こうとするサナの手を、
ミナがそっと掴んで引き留める。
その一言だけで、
サナの胸はぎゅーっと締めつけられた。
手を引いてベッドに連れて行くと、
ミナはそのままサナの膝に頭を乗せてくる。
いつもならふざけたり、はにかんだりするのに、
今日はすっと甘えてくるミナが、
愛おしくてたまらない。
そんなこと言われたら、
もう、なんでもしてあげたくなる。いや、する。
サナはそう囁きながら、
前髪をそっとかき上げて、おでこにキスを落とした。
そう言いながらも、ずっとそばにいて、
優しく頭を撫で続けるサナ。
寝る前に髪をとかしてくれるのも、
全部優しくてあったかい。
ミナが眠りかけるころ、
サナはそっと布団をかけ直しながら、囁いた。
布団の中に腕をすべらせて、そっと恋人を抱きしめる。
ミナがふにゃっと甘えてくるのを感じて、
サナも微笑む。
2話構成です🫶🏻














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!