第3話

3 .名前
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2025/08/10 02:21 更新



光が収まり、手にあるものを見る。

銀色の、片手剣だ。持ち手には青色の宝石が埋め込まれている。

そしていつの間にか、着ていたはずの制服は騎士のような衣装に変化していた。
黒いグローブに、中世ヨーロッパを彷彿とさせる深緑色の軍服と黒いマント……


何故かハーフパンツだし。あとガーター付きのハイソックスとブーツ。

妙に身体に馴染むけど、それが逆に心地悪い。

 越前 リョーマ
…………変身……って……
 ミティオ
すごいよリョーマくん!
初変身でこの数値!まさに才能だね!

相手を見据えると、ゲームのパラメータのようなものが相手の隣に浮かんで見えた。
さっきまで見えなかったのに……



まさか、「変身」したら見えるようになるとか……?

 越前 リョーマ
(つか変身ってなんだよ……さっき何気に手榴弾で死にかけたし…!!)

パラメータには


  適正属性     爆裂
  TMP       420000
  魔法シンクロ率  34%


それだけが表示されていた。
‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
お前、《斬撃》かよ……
はっ、この試験、案外楽勝だな…!
 越前 リョーマ
……《斬撃》……?


相手の目線を追い、自分の頭上を見ようとしたけど、すぐに爆風で押されてしまう。
 越前 リョーマ
っぐ……!!
‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
邪魔なんだよ……さっさと死ねェッ!!!!

 ミティオ
リョーマくんリョーマくん!
君の適正属性は《斬撃》、あの子は《爆裂》……

属性相性的に考えれば、斬撃は爆裂に弱いんだ!
 越前 リョーマ
なにっそれ、!!!じゃあ俺あいつに勝つ方法ないわけ?!
 ミティオ
大丈夫、属性は「属性」に過ぎないよ!
勝つことは出来るさ!


 ミティオ
あとね、今リョーマくんは《恒星》になっちゃってるよ!
自分に対応した属性を使わなきゃ!



 越前 リョーマ
……なんでそれ早く言わないんだよ……
早く言ってくれればさっきみたいにならなかったじゃん…!!
 ミティオ
そうかもネ!でもリョーマくんが言ってくれなかったから★
 越前 リョーマ
(マジでコイツ後で刺し殺す)
 越前 リョーマ
で、属性の変え方ってどうすんの……
 ミティオ
武器に力を込めて「属性変更」って唱えればいいよ!
 越前 リョーマ
あっそ、もうお前からは話しかけてくんな。
 ミティオ
ひどぉ〜い!

その時、アナウンスが流れた。


‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
『 第32通過、不二周助 』
 越前 リョーマ
……えっ、

見知った先輩の名前が聞こえた。
 ミティオ
まずいよリョーマくん!あと8人だ!
 越前 リョーマ
なにが……何があと8人なんだよ、あと話しかけんな。
 ミティオ
ぴえ〜ん!★
‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
『 第33通過、大石秀一郎 』

何がどうなってるかはもう分からない、理解する気すら失せた。


やるしか、ないんだ。

 越前 リョーマ
『 属性変更 斬撃 』……

片手剣の見た目は何も変わらないが、何かが決定的に変わったのがわかる。

さっきよりも剣が心地良いかもしれない。

‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
……は……お前……なんだよそのTMP……!!
‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌‌
俺を超えてんじゃねぇか……!!

 越前 リョーマ
ごめんけど、ちょっと静かにしててくんない。


 越前 リョーマ
こんなバカみたいなことに巻き込んだ奴を、探さないといけないからさ。


逃げようとした相手を追い、その頭頂目掛けて、俺は剣を振り下ろした。

どうしてもリョーマくんを叫ばせてしまう悪癖が……クールな子が尋常じゃないくらい焦るのが好きです

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