-前回のあらすじ-
赤崎理科高校に転校して初日にもかかわらず、たくさんの友人(?)ができた美咲。しかし、放課後の祐香の言葉の意味を理解できなかった美咲は、少しの不安を抱えながらも学校生活を送ることになった...
あの、転校初日の出来事から今日で二ヶ月になる。
あの日の放課後、祐香さんが放ったこの言葉が今も忘れられない。
そうして、2時限目が始まった。
...気になる。ただ、そう言われちゃったからには真面目に受けないと。
急に河島先生が教室に飛び込んできた。
クラス全体がざわめく。
ただ、後ろに座っていた祐香さんだけは冷静だった。
江崎先生が教室から飛び出ていく。
この教室の前の廊下は、校舎裏の緊急通路につながっており、遠回りすると中央階段と右階段から一階へ降りることができる。
避難経路は決まった。あとは...
椿ちゃんが河島先生に避難経路の提案をするために先生のもとに走っていった。
そうして私たちは一斉に走り出した。
どういう状況なのかもわからない。ただ、今は避難するだけ。
...のはずなのに。
なにかとても不吉な予感がする。なんというか、こう、深い...
別れ?
もうすぐ右階段だ。ただ、右階段に近づくにつれ、不吉な予感は更に大きく、主張してくる。
ドアを開ける。
ドアの向こう側には、いつも通りの右階段があった。
ただ...
祐香さんがカウントダウンし始めた。
ドッカーーン!!!!
急いで階段を駆け下りる。そこには...
廊下が燃えていた。
どっかで聞いたことがあるセリフだ。
とっさに後ろを振り向く。
すると...
そこには、フードをかぶった謎の男と謎の女が並んで立っていた。
謎の男は、祐香さんに向けて指を指した。
そして、二人は消えていった。
見ると、いつのまにか廊下の火が消えていた。
さっきの爆発を聞いて、先生が駆けつけてきたようだ。
亡くなった...
私たちを助けてくれた。
導いてくれた。
そんな江崎先生が...
こんなすぐ死んじゃうわけない。
...そう、信じたい。
そうして私たちは、学校を後にした...
[作者振り返り]
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。