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第25話

ゴジラ生誕70周年記念特別編
25
2024/11/03 14:15 更新
大戸島(時系列的にはネオ達がアメリカに旅立った後)
初代とマイナスがかつて暮らしていた小さな島だ
随分と大変だった仕事も一段落ついて初代はかなり久しぶりに大戸島に帰ってきていた
初代ゴジラ
やはりいい場所だ
初代ゴジラ
思い出すのう
初代ゴジラ
この匂い
初代は胸いっぱいに大戸島の空気を取り込んだ
初代ゴジラ
儂の怪獣としての生はここから始まった
大戸島の島民
貴方…誰かね?
後ろから声をかけられ初代は少しびっくりしてしまった
初代ゴジラ
儂?、、、儂は少しこの島の観光に来ていてな
大戸島の島民
やめときなよ、今日は呉爾羅様が来るんだ
大戸島の島民
あんた大戸島来るなら知ってんだろ?
初代ゴジラ
まだそんな風習が
大戸島の島民
そうなんだよ
大戸島の島民
この前なんか国の役員?みたいな人が来て呉爾羅様を怪獣として駆除するとかなんとか
初代ゴジラ
ほぅ
大戸島の島民
でも、呉爾羅様は絶対に怒らせちゃいけないんだ
大戸島の島民
昔なんか呉爾羅様に銃を撃って殺された人なんかもいるらしいからな
初代ゴジラ
そうか、なら儂はこの辺で
大戸島の島民
あぁ、あんた!
大戸島の島民
泊まるとこはあんのかよ!
初代ゴジラ
安心しろ野宿には慣れとる
大戸島の島民
あぁもう、、家に案内するからついてこいよ
初代ゴジラ
(今どうなっているか見るいい機会だ)
初代ゴジラ
ならお言葉に甘えさせてもらうとするか
初代ゴジラ
ここがお主達が暮らしておる場所か
大戸島の島民
そうだよ!
大戸島の島民
いいとこだろ?
初代ゴジラ
変わっておらんな
初代ゴジラ
やはり呉爾羅信仰がこの島の発展を邪魔しておるのか
大戸島の島民
ゆっくりしてきなよ
大戸島の島民
あ、ここから案内するよ!
大戸島の島民
まあつっても寺なんだけどな
初代ゴジラ
寺…
大戸島の島民
ここには歴代の呉爾羅様の名前が納められてんだ
大戸島の島民
勝俊様から始まり負様、道兼様や狭霧様
初代ゴジラ
(何?)
初代ゴジラ
(馬鹿な……まさか)
大戸島の島民
深海魚があがると呉爾羅様が来るんだ
大戸島の島民
そして供物を捧げなきゃいけない
初代ゴジラ
・・・捧げなかったらどうなる
大戸島の島民
…村の人間を満足するまで殺して帰るらしい
その言葉を聞いた瞬間初代の中にどうしようも無い怒りが湧き上がってきた
初代ゴジラ
なぜ供物を捧げなきゃいけないのだ
大戸島の島民
勝俊様の頃からずっとらしい
大戸島の島民
とはいってもみんな今みたいにいやいやじゃなくて歓迎してたって記されてるけど
初代ゴジラ
(そうじゃ、あれは彼らの善意)
初代ゴジラ
(搾取ではないのじゃ)
大戸島の島民
そろそろ暗くなる
大戸島の島民
もうすぐ呉爾羅様が来るぞ…
初代ゴジラ
そいつを見たことがあるのか?
大戸島の島民
今の呉爾羅様の名前、破月様って言うんだ
大戸島の島民
スゲー怖くてさ
そう言っていた時
ボーンボーン
鐘の音が聴こえる
大戸島の島民
やべぇ…行かなきゃ
初代ゴジラ
海岸の方でいいんじゃな?
大戸島の島民
そう!
ドシン
ドシン
ドシン
巨大な足音が海岸に響く
体高15メートルはありそうな巨体
全てを噛み砕いてしまいそうな恐ろしい牙
背中には背鰭が美しく並んでいる
呉爾羅様〜〜〜!
他の島民たちはその怪物の前にひれ伏している
初代ゴジラ
…彼奴か
島民たちの横には大皿に盛られた魚が大量に並んでいる
大戸島は漁を中心として外部から収入を得ている
あんな量の魚が今夜いっぺんに食べられてしまうのは島民たちにとっても痛手だったが殺されてしまえばその魚も捕れなくなる
呉爾羅に供物を捧げるのは仕方のないことだった
呉爾羅
グルルルルル
呉爾羅はじっと供物を見つめている
そして3秒ほど見つめた後猛々しく吠えた
呉爾羅
ギルルォォォォォォァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
わ、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
呉爾羅の近くに居た3人ほどの人間が巨大な足に踏み潰されてしまった
呉爾羅
ゴルェェェェェェェェン!
呉爾羅がまた足を上げ島民を踏み潰そうとしている
それに初代は耐えきれなくなった
初代ゴジラ
待たんか!!!!!!!!!
大声を出した初代に視線が集まる
無論呉爾羅も初代を睨みつけていた
しかし初代はそれを気にせず呉爾羅へ向かってまっすぐに歩いていった
初代ゴジラ
さっきから見ておれば
初代ゴジラ
供物の内容が気に入らないじゃと?
初代ゴジラ
ふざけた事を抜かすな小童!
呉爾羅
ギルルルルルルルルルルル
初代ゴジラ
お主の様な間抜けに供物をやってるだけでもありがたいと思え
大戸島の島民
あ、あんたやめろって!
大戸島の島民
申し訳ありませんこいつこの島初めてみたいで
大戸島の島民
貴方様のことも何も知らぬようなのです
初代ゴジラ
どいておれ
初代は男を突き飛ばし呉爾羅の目の前に立った
初代ゴジラ
よく聞け若造
初代ゴジラ
この島は儂の第二の故郷じゃ
初代ゴジラ
そして同族にも伝えろ
初代の身体が次第に怪物と同じようになっていく
そして同じ姿になった時初代は目の前の呉爾羅に咆哮を浴びせた
呉爾羅
ゴォォォォォォォォォィルォォォォォォォォォォァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
呉爾羅
───────!!!
呉爾羅
ェェェェン!
大戸島の人間たちは目の前で起こった事を理解できずに居た
そして次第に声が上がっていった
勝俊様だ
勝俊様だ、と
そして初代は人間の姿に戻って言った
初代ゴジラ
いかにも
初代ゴジラ
儂が初代呉爾羅、「勝俊」じゃ
大戸島の島民
え、、、ええ!?
初代ゴジラ
お主、、
大戸島の島民
ハッ!ご、ご無礼をお許しください、いえ許さなくていいですぅ!!
初代ゴジラ
島の状況についていろいろ教えてくれたからのう
初代ゴジラ
めーんじょ!
大戸島の島民
あ、ありがたき幸せ
大戸島の島民
(か、勝俊様だったのか〜〜〜〜〜!)
そして初代はこの島にはもう呉爾羅は来ないこと
そして遠くの海まで漁業に行けることを島民に話して回った
初代ゴジラ
全く
初代ゴジラ
面倒なことをする輩もいたもんじゃ
初代はタバコに火をつけた
初代ゴジラ
本部でやると怒られるからな
初代ゴジラ
一服もできたもんでは無いわい
初代ゴジラ
しかし、まあ
初代ゴジラ
ここも変わってなくてよかった
初代ゴジラ
時間が空いたら待たゆっくり来るとするかのう
初代はそう言うと怪獣の姿に変わった
初代ゴジラ
ゴォォォォォィルォォォォォォァァァァァァ!
月が海を静かに優しく照らす
初代の背鰭も月に照らされ青白く光っていた
そして初代は海を泳いで行く
自分の帰るべき場所を目指して
ゴジラ生誕70周年記念「初代の里帰り」おしまい

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