大戸島(時系列的にはネオ達がアメリカに旅立った後)
初代とマイナスがかつて暮らしていた小さな島だ
随分と大変だった仕事も一段落ついて初代はかなり久しぶりに大戸島に帰ってきていた
初代は胸いっぱいに大戸島の空気を取り込んだ
後ろから声をかけられ初代は少しびっくりしてしまった
その言葉を聞いた瞬間初代の中にどうしようも無い怒りが湧き上がってきた
そう言っていた時
ボーンボーン
鐘の音が聴こえる
ドシン
ドシン
ドシン
巨大な足音が海岸に響く
体高15メートルはありそうな巨体
全てを噛み砕いてしまいそうな恐ろしい牙
背中には背鰭が美しく並んでいる
呉爾羅様〜〜〜!
他の島民たちはその怪物の前にひれ伏している
島民たちの横には大皿に盛られた魚が大量に並んでいる
大戸島は漁を中心として外部から収入を得ている
あんな量の魚が今夜いっぺんに食べられてしまうのは島民たちにとっても痛手だったが殺されてしまえばその魚も捕れなくなる
呉爾羅に供物を捧げるのは仕方のないことだった
呉爾羅はじっと供物を見つめている
そして3秒ほど見つめた後猛々しく吠えた
わ、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
呉爾羅の近くに居た3人ほどの人間が巨大な足に踏み潰されてしまった
呉爾羅がまた足を上げ島民を踏み潰そうとしている
それに初代は耐えきれなくなった
大声を出した初代に視線が集まる
無論呉爾羅も初代を睨みつけていた
しかし初代はそれを気にせず呉爾羅へ向かってまっすぐに歩いていった
初代は男を突き飛ばし呉爾羅の目の前に立った
初代の身体が次第に怪物と同じようになっていく
そして同じ姿になった時初代は目の前の呉爾羅に咆哮を浴びせた
大戸島の人間たちは目の前で起こった事を理解できずに居た
そして次第に声が上がっていった
勝俊様だ
勝俊様だ、と
そして初代は人間の姿に戻って言った
そして初代はこの島にはもう呉爾羅は来ないこと
そして遠くの海まで漁業に行けることを島民に話して回った
初代はタバコに火をつけた
初代はそう言うと怪獣の姿に変わった
月が海を静かに優しく照らす
初代の背鰭も月に照らされ青白く光っていた
そして初代は海を泳いで行く
自分の帰るべき場所を目指して
ゴジラ生誕70周年記念「初代の里帰り」おしまい








![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)



編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!