💜side
マネさんが、生活に必要な物を大量に抱えてやって来てくれた。
日用品、着替え、子ども用のパジャマや歯ブラシ、おもちゃまで。
ほんま、この人がマネさんでよかった。
心の底からそう思う。
……なに、この甘々空間。
見てられなくなって、後ろの方へ視線をやると。
すごい顔で、こっちを睨んでる丈くん。
完全に嫉妬してる。
これ、大吾くんが見たら……って。
……言わんこっちゃない。
そう言って、マネさんは慌てて帰っていった。
その瞬間。
丈橋はイチャイチャ再開。
大吾くんは、その光景に完全にやられて床に崩れ落ち。
……ほんま、この先大丈夫かな。
そう思って、軽くため息をついた、そのとき。
「返して!!」
大きな声が、リビングに響いた。
慌てて声のした方を見ると。
おもちゃを取り合って、向かい合う三人の姿。
ん〜……困ったな。
どう声をかけたらいいか考えていると。
ドンッ。
鈍い音。
顔を上げた瞬間、状況が一気に理解できた。
床に尻もちをついて、今にも泣き出しそうな流星。
その前で、押してしまったことに気づいて、固まる駿佑。
そして、その間で、どうしたらいいか分からず、目にいっぱい涙を溜めた謙杜。
しゃがんで、両手を広げると。
ぎゅっ。
小さな体が、全力で抱きついてくる。
背中を優しく撫でる。
そのとき。
さっきまでイチャイチャしてた丈橋と、大吾くんがやって来た。
事情を説明すると、丈くんが静かに駿佑の前にしゃがんだ。
駿佑は、怒られると思ったのか、みるみる目に涙を溜めて。
そのまま、ぽろぽろ泣き出した。
ゆっくり、流星の方を向いて。
そう言って、駿佑の頭を優しくなでなでする。
その姿が、あまりにも自然で、優しくて。
……ほんま、すごい。
その横で。
まだ目に涙を溜めて、固まっている謙杜。
そこに、大橋くんがしゃがみ込んだ。
そう言って、優しく抱っこする。
そのとき。
ぽつりと、大吾くんが口を開いた。
さっきまで丈橋にやられて床に沈んでたとは思えんくらい、急に真剣な顔。
流星は、まだ少し不安そうな顔で、大吾くんの方へと歩いていく。
大吾くんは、流星と同じ目線になるようにしゃがみ込んで、にこっと優しく笑った。
そう言って、今度は駿佑の方を見る。
大吾くんは、二人の間にそっと手を差し出した。
しばらく沈黙。
でも、最初に小さく動いたのは流星だった。
そう言って、駿佑の手を握る。
二人が手を繋いだのを見て、大吾くんは満足そうに笑った。
その様子を見ていた謙杜が、ちょこんと近づく。
三人の小さな手を、そっと重ねる。
三人で顔を見合わせて、えへへ、と笑った。
思わず、声が漏れる。
そう言って、三人は仲良くリビングへ戻っていった。
その背中を見送りながら。
そう言いながら、ちょっと耳が赤い。
丈くんが、ぽつりと呟く。
さっきまで泣いてたはずの三人の笑い声が、リビングに響いている。
その音を聞きながら。
そう言って、みんなで顔を見合わせて笑った。
この家は、きっと。
泣いて、笑って、成長して。
そんな時間が、ぎゅっと詰まった場所になる。
そう、強く思えた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!