…あなたは、自嘲気味な表情でそう放った
今の言葉だけで情景は浮かぶものの、情報が足りない
思い浮かぶのは
目の前にいるあなたと、瓜二つだったという彼女の母親くらいだ
何を思ってか、あなたはクスリと笑ってから
また口を開いた
軽くだが聞いたことがある、
折角、母に救われた命
そう簡単に投げちゃいけないのは分かってる
あぁ、なんでか視界が滲む
私が大好きな人が、私のせいで終わってしまった
分かってる、分かってるよ
今生きてるのは私で、母さんは私が死んだって戻っては来ない
それでも、私は私を許せない
私のことが世界一嫌いな人間は、私だ
息をするのに疲れたの
ツゥ…と頬を伝った涙が、龍水の手によって拭われた
「龍水、私のこと好き?」
もう、ずっと前に訊ねられた言葉に、もう一度意味を乗せて
多分、私は
死ねないのなら、生きるならと
自分を好きになる理由が欲しくて
私が私に生きていて良いって、思いたくって
相も変わらず周りなんか見ずに、ひたすら走ってた
蓋を、開けてみれば
ちょっと落ち着いて考えてみれば
私が皆のことを大好きな分、皆も私のことが好きで
生きたい、って思えたのなら
今のまま道に迷って、悩んで、時に誰かを頼って
生きても良いのかもしれない
大切な人を人を愛したいと思う感情ごと、自分を好きになりたい
#この胸の痛みを、忘れるわけじゃない
痛みを抱きしめながら生きていたい














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。