第37話

喫茶店《3》
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2025/08/23 07:00 更新
<冨岡side>
宇髄天元
さて、本題に入るか。
宇髄の言葉に、俺も甘露寺も自然と背筋を伸ばす。

だが、宇髄はどちらかというと落ち着いていて、なんで俺達がこんなに畏まっているのかわからないといった様子だった。

宇髄天元
お前ら、結婚したいとは思ってるか?
突然聞かれて、俺達はそろって真っ赤になる。

誰と、とは宇髄は言わなかったが、もちろん俺は実弥と、甘露寺は伊黒と、という話だろう。

それを頭の中で整理して、俺は無言で頷いた。

宇髄はそれを見て満足気に頷き、甘露寺の方も目線でどうか聞く。

すると、甘露寺も「当たり前」と言うようにぶんぶんと首を縦に振った。

すると、宇髄は「そうだよなあ、、そうなんだよなあ」とブツブツ呟く。

どうして突然そんなことを聞くのか、と問いかけようとして、ふと思った。

この話が本題ならば、宇髄が実弥と伊黒にしたのはそういう話・・・・・なんじゃないか、と。

そして、それに気がついた時、俺の背筋がヒヤリとした。

結婚することが嫌なわけじゃない。

同性での結婚はあまりないけれど、双方の家族も認めているし、俺だって嫌がっていない。

だけど、実弥は?

もしも同性愛者であることが本当は嫌ならば、結婚の話は、、、、、?
実弥は、、、嫌なのだろうか。
ボソッと言った言葉は、案外個室に大きく響いた。

俺の声が大きいのではなく、個室がとても静かだったからだろう。

そして、宇髄はそれを聞いてギョッとしたような顔で俺を見た。
宇髄天元
いやいやいや、それはねぇから。そうじゃなくて、いや、その話なんだけど。そういう話なんだけど!!
珍しく宇髄が焦りまくり、混乱している。

そういう話、とはどういう話だろう。

結婚についての話か、はたまた、、、

ダメだ、1度考え出してしまったことがネガティブだったから、どんどん後ろ向きな考えになってしまう。

こんなんじゃあ、みんなに呆れられるのも時間の問題だ。

悶々と考えていると、宇髄がどデカいため息をついて身を乗り出し、俺の肩をガシリと掴んだ。

そして、無理矢理俺の顔を上げさせ、自分の顔を俺の瞳に映りこませる。
宇髄天元
いいか、冨岡。不死川は結婚はまだ無理だと言った。だけどそれはお前との結婚が無理なんじゃなくて、もっと世間的地位を安定させてから結婚した方が良いと考えているからだ。だから冨岡。お前が考えているようなことにはならない。不死川だって、お前のことを過保護なくらい溺愛してるだろ?それは俺が確認済みだから安心しろ。
甘露寺蜜璃
そうですよっ!不死川さんに限って、冨岡さんと結婚したくないわけないじゃないですか!ねっ?
そう、、、、、か、、?
ハッキリと言いきられて、俺は曖昧に頷くことしかできなかった。

でもそれは先程までの暗い気持ちからではなくて、2人の言い切りの良さに驚いたから。

少なからず、俺は2人が言い切ったことで、安心できたのだと思う。
宇髄天元
そう。俺の家で話したのは、結婚はどうするのかって話。甘露寺のとこは大丈夫そうだぜ。伊黒アイツも結構真剣に考えてたし。だけど、問題は不死川だな。関係の公表を極度に恐れてやがる。あれは多分、、、2人共が仕事を辞めるまで結婚できねぇぞ。
そうだろうな。実弥はそういう人だ。
考えすぎるというか、今この状態を大切にしすぎるというか。

確かに俺はモデル業を気に入ってはいるが、絶対にやめたくない、というわけでもない。

それが結婚に関わることならば尚更。

不死川は、俺が今の状態で十分幸せそうだから、今のままを保とうとしてくれているのだろう。

それなら、俺がトリガーにならなければな。

そう思い、俺は立ち上がる。

甘露寺はちょっとびっくりしたような顔をしたが、宇髄はただただ優しい笑みを浮かべた。
行ってくる。ちゃんと話してくるよ。
宇髄天元
おう。あの堅物にもわかるように、噛み砕いて話してやれよ。
甘露寺蜜璃
頑張ってね!!
2人の声を聞きながら、俺はドリンクを飲み干して自分の分のお代を置き、喫茶店を出た。
書けなーい。

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