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⚠️死ネタ・付き合ってません
赤葦サイド
君は、突然言い放った。
理解が追いつかなかったんだ。
その時は。
俺の世界からあなたの名前がいなくなるなんて考えられなかったんだ。
君は、そう行って俺の前から走り去っていった。
その時は、それでいいって思ってた。
あなたの名前が一瞬泣きそうな目になったのも、気のせいだろうと思うことにした。
本当はわかってる。
俺はあなたの名前と一緒にいたいんだ。
でも、もう決まったことは変えられない。
あなたの名前サイド
お父さんの転勤で、急に引っ越すことになった。違う県に。だから、転校もしなくちゃいけない。
嫌だなあ。
好きな人と離れたくないよ…
赤葦サイド
あなたの名前から転校を告げられた日からこの気持ちを奥に奥にしまっていた。言ってしまうのが、怖かった。
ダメだ。部活に支障をきたしてはいけない。
だから、この気持ちは…
言わないままでいいんだ…
あなたの名前サイド
今日、私はここを離れる。
あっという間だったなあ…
…京治は来てくれないのか…
そうだよね…
片思いは…長かったなあ…
そうやって過ぎた日々に思いを馳せながら、私と私の家族はちょうど来たバスに乗り込んだ。これから、駅に向かうんだ。
もう、おしまいなんだ…
私は、だんだんと深い夢に落ちていった…
私達は、いまにも消えいってしまいそうな風に吹かれて、駅のホームでまった。
「まもなく一番線に快速東京行きが参ります」
あ、…もう…
まだダメ…ダメ…伝えなくちゃ…
「「好きだよ」」って、
お母さんと、お父さんは私の前で電車に乗り込んで行った。待ってよ。
キツいお母さんの言葉に、私は電車へ足を踏み入れた。
あーあ…私の悪いとこって、ここだよなあ…
そう思ったら、ポロポロ涙が溢れて止まらなかった。
涙は、悲しい青色だった。
「あなたの名前!」
!?
すぐそこにいるその人が信じられない。
私の好きな人。
私の大切な人。
私の愛しい人。
近づこうとする私をよそに電車のドアは無情に閉まる。
決まったことは変えられないよね、
わかってるよ。
なくなったものは帰ってこないよね、
それもすごく分かってる。
でも、なくなった時の悲しみは、まだわからない。
ガラス越しに見える京治が私の名前を呼んで、何かを言ったことがわかった。でも、何かはわからなかった。
これで、本当に終わっちゃったんだ…
赤葦サイド
器用貧乏の木葉さんのあんな顔は初めて見た。
後輩の恋愛であんな必死になるか?
俺が不思議に思ってる間に、木葉さんの自転車は〇〇駅に到着した。
俺は
あなたの名前に言うんだ。
「「好きだよ」」って、
俺はダッシュで階段を駆け上り、電車に乗らないのに改札を通った。そこには電車に乗って涙を流すあなたの名前がいた。
電車のドアは俺とあなたの名前を引き離すように閉まっていく。待って…
俺は、気づけば力の限り叫んでいた
ガラス越しの君は、泣き腫らした大きな瞳で不思議そうに俺を見つめていた。
当たり前が壊れるきっかけ、それはただ些細なことで。変えられるものもあるし、変えられないものもある。
ありがとう、と言う温かい気持ち、
辛い、と言う愛を生む気持ち、
生きたい、と言う愛が生む気持ち。
そのすべては、「当たり前」からできる特別なもの。どうしてもっと、一瞬一瞬を大切にしなかったんだろう。もう遅いのに。
あなたの名前ののる電車は俺から逃げるように去っていった。今度は、二度とやり直せない「去っていった」だった。
これで、本当に終わってしまったんだ…
木葉さんと木兎さんの温かい体に包まれると、だんだん鼻の奥が苦しくなってきて、気づけば涙が流れていた。
俺は携帯を取り出し、あなたの名前に電話をかけた。
あなたの名前サイド
プルルルルルル
なに!?ここ、電車なのに…まあ、いいかな?
人少ないし…
ドクン。
ガタン
ツーツーツー
赤葦サイド
切れた…なんだ?
聞きたく、なかった?
それでも、いくら待ってもあなたの名前から電話は来なかった。
その時、スマホを見ていた木葉さんが静かな声でつぶやいた。
深刻そうな声に、俺は思わず身構えた。
嫌な予感に鳥肌が立つ。
呼吸が荒くなる
周りの音が自分と切り離される感じ…
シャットダウン、される感じ…
わからなくなる、何もかも。
脱線…事故?
そんなの、嘘だろ…
だって、俺の大切な人なのに…
そばにいるのが
当たり前
なはずなのに…
ああ…
俺って情けない…
好きだよって伝え損ねて
言う最後のチャンスを先輩2人に与えてもらったのに
逃して
もうあの子と二度と会えなくなるかもしれないなんて考えて
もう本当に
あの後、あなたの名前の訃報を知った時は魂が抜けた気分だった。
お葬式に出れることになったけど…
顔をしっかり見れるのかな…
あなたの名前サイド
私は、電車の脱線事故で死んだみたい。
京治と電話をしてたら大きく車体が揺れて
がつーーん
鈍い痛みが頭部に走って…意識がなくなって…
目が覚めた時は真っ白い嫌な匂いのする病院にいた。
あ。まだ生きてるんだ。
そう思って体を起こしてみたら、真っ青な顔で頭に包帯巻いた自分が見える。
え、何?
その時分かったんだよね。
私、死んだんだって
もっと、生きたかったな。
そうして、しばらく時が経ち、私のお葬式が開かれた。私の顔には顔色の悪さが隠されるほどの化粧がされた。
赤葦サイド
あなたの名前の顔には、うっすら化粧がされていた。
いつもはしないのに…
そうひとつ考えるとあなたの名前の生前の頃が思い出されて、普通なら見せない涙を俺は見せた。
なぜもっと早く伝えなかった。
なぜ恋なんてしたりした。
なぜあの電車に乗っていた。
なぜあなたの名前じゃなくてはいけなかった。
なぜ、なぜ…
もう遅いのに。
こんな言葉じゃ、伝え切れない。
俺は、悲しい青色の花に包まれたあなたの名前の唇に、ガラス越しにキスを落とした。
2人の間にあるのは、
優しく温かい涙色の花束だった。
〜fin〜
【歌詞】
普段からメイクしない君が薄化粧した朝
始まりと終わりの狭間で
忘れぬ約束した
花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
真実にはならないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
毎日の人知れぬ苦労や淋しみも無く
ただ楽しいことばかりだったら
愛なんて知らずに済んだのにな
花束を君に贈ろう
言いたいこと 言いたいこと
きっと山ほどあるけど
神様しか知らないまま
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
両手でも抱えきれない
眩い風景の数々をありがとう
世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりないさ
抱きしめてよ、たった一度 さよならの前に
花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
君を讃えるには足りないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
【あとがき】
この曲は、宇多田ヒカルさんが自殺した母、藤圭子さんに送った曲です。母が雲の上の人となってから宇多田さんは、あまり普段から家族に対して愛を伝えない自分や周りの人に対して、本当はもっと言葉や形にして伝えなくてはいけない、と言っています。
私のこの曲の好きなところは、ただ言葉にするのが大変だから、面倒くさいから花束を送るのではなく、言葉だけでは伝え切れないから花束を送るのがすごく素敵だな、と思いました。
少し不器用で、優しさと思いやりに満ちている人と考えた時、一番先に赤葦が思い浮かびました。
長くなりすみませんでした💦












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。