保健室の扉を開けて、奥のベッドにいるであろう瑞希にそう言う。
そう言って、先生は俺に名刺を渡してくる。
デジャブを感じる、と思いつつそれを受け取る。
テンション高めな瑞希の言葉に、俺は少々ぶっきらぼうに返事をして、二人で歩き出す。
そんな先生のうっとりとした言葉は、俺達・・・・・・少なくとも俺の耳には聞こえはしなかった。
俺の部屋に入ってすぐ。
瑞希のそんな呟きに、俺は苦笑を返す。
俺の自嘲を冗談と受け取った瑞希が笑みを漏らす。
少し分かるかも〜と笑いながら、俺の部屋を眺める。
座布団を敷き、そこに瑞希を座らせる。
分かった、と返事をして、俺は椅子に座り、シンセサイザーに手を置く。
片手で楽譜のプリントを取り出し、シンセサイザーで鳴らした音の中でしっくり来るものをシャーペンで記入していく。
シンセサイザー以外にも、ギター、ドラム、ベースの音の入力が終わった。
まだ歌詞もタイトルも無いそれを幾度となく聞きながら、思いつくままに歌詞を書いていく。
その問いに、俺は苦笑する。
そっか、と声をもらす瑞希。
それから、暫くの間談笑して、瑞希は家を去った。
そんな呟きは、誰の耳に届くこともなく風に吹かれて消えていった。











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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!