悪魔は己の欲が第一。
時にそれは原動力になり、体力バカになる。
ダリは他の教師よりも古株で、歳も上なので
くるものがくるのだ。
腰と足が普通に疲労でやられる。
同じ…それどころか走って山を昇っていく
あなたを見て、ダリは若さの恐ろしさを感じた。
自分にはただの草に見えるそれを
楽しそうに引き抜いていくあなたの手が止まった。
こちらを見たときに、
今までのはしゃぎ具合に気づいたのか
手に持っていた薬草がぽとりと落ちた。
一つ、大きな切り株があった。
その上にレジャーシートを載せて
二人でちまっと座った。
持ってきていた水筒を飲んで、
足りなかった水分を補給する。
蘇る……お水美味しい。
ゲームでいうサポーター。
家系能力的にアタッカーよりもサポートに回るのだ。
あなたは自身の体力を
特に気にしたことは無かった。
そういえば、昔も周りのクラスメイトを置いて
一人走っていったことも多かった。
地下訓練場の整備された地面がボコボコになり、
やがて一時的に使えなくなるほど激しい稽古だった。
……詳しい話はまた後ほどするが、
この悪魔は多分あの時も手加減していたのだと思う。
ダリ先生はちびちび水を飲んで、
くるくる容器を振り回した。
昔はもう少し髪も長かったことも思い出す。
初めて会った時はこのヒトが教師になるなんて
思っていなかった。
出会ったのはバビルスに生徒として在学していた時。
私は年齢的に第二次反抗期の真っ最中であった。
これにおちゃらかが加わると、
要するにムカついていた。
黒歴史である、完全に。
ダリ先生が先に立ち上がり、手を差し出される。
軽く手を握り、私も続いて立ち上がる。
足の疲れや喉の乾きも収まり、
これなら余裕で夜になる前に宿に着きそうだ。
日はどんどん落ちていく。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。