画面のスンチョルが私の好きな笑顔を浮かべた。目がキラキラと輝くあの笑顔だ。
スンチョルのその言葉と同時に、会場のライトがいっせいに消えた。浮かぶのは、ペンライトの光だけ。
花畑のような、星のようなそんな空間を見渡して私は簡単のため息を吐いた。
その瞬間、あるひとつの場所に照明が全て集まった。その光を辿って、目を見開く。
私の前で跪く彼の手の中には指輪が輝いていて、私の視線を奪う。静寂に包まれた中、私は小さく頷いた。
震える手に指輪がはめられたその瞬間、会場から大きな歓声が上がって、花火が打ち上げられた。スンチョルに抱きしめられてキスをする。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!