やっと高校に着いた。ここが僕の通う高校、有動高校。有名な金田ニ少年が通ったとされる高校だ。教室に入るとみんなが窓に集っている。「行けーまさし!」だの、「負けるな、らーん!!」だの聞こえる。
教科書類をかばんから出して机に詰め込んだあと、僕も窓の外をのぞいて見ることにした。クラスメイトの集団に身体をねじ込ませてて無理やり中に入ると少しだけ窓の外の景色が見えた。2人の少年少女が校庭で相対していた。
「いけ!ピパチュウ!11万ボルト!!」
黄色いうさぎのような生物が少年まさしの掛け声とともに「ピーパーチューー!!」と鳴きながら走り出す。
「はあぁーーー!!!」
かの有名な電柱破壊して拳銃避ける系女子高生、毛〇蘭のそっくりさんの剛利らんさんが空手の構えをして地響きのような声を放つ。
「「か、かかと落とし?!」」
観客の声がそろう。既視感があるが気にしない。
「ピパチュウ避けろ!」
「ピパッ!」
まさしは素早く指示を出してピパチュウに避けさせる。らんが足を地面にめり込ませる。ピパチュウをこ〈ピー〉そうとでもしたのだろうか。あ、ゲフンゲフン。キルしようとでもしたのだろうか。
「ピパチュウ!音光石火!」
速さが違う。光と電気は一緒だが、音と光はだいぶ違う。速いけどね?どっちも速いけど。
「ピーパッ」
ピパチュウが電光(音どこいった)の如く駆け抜ける。そのスピードは凄まじく、空気摩擦で火をまとっているようにも見える。…危なくね?
「はぁァァァ!」
らんは腰の横に手を構える。あ、あれはまさか!
「かーめーかーめー派ァァァ!」
光線がまさしを焼く。人間に出せる技なのかあれは。いや、出せるか。朝、空飛んでたやついたもんな。あ、でもピパチュウがドン引きしてる…。ジト目でらんさん見てる…。
待てよ?まさし生きてる?
まさしは膝から崩れ落ちる。そしてプルプルと手を空へ伸ばしグッドポーズをしている。
「「わあァァァ!!!まっさーしっ、まっさーしっ!」」
まさしコールが起こる。
あれを食らって生きているとは…。あ、普段からピパチュウの11万ボルト食らってたら大丈夫か。心配して損した。
もうすぐ授業か…。飽きたし席座ろっと。
そういえば、らんさんって、かめ派なんだ。何と?月と?いや、あれはすっぽんだ。考えるのやめよ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!