……苦しい…息ができない…
両手が塞がってて、上手く泳げない…
もがき苦しむ私を水中から引きずり出してくれたのは
梶先輩だった
少し水を飲んだみたいで、うまく呼吸ができない
橋の上から飛び込んだ衝撃で足取りも覚束無い
梶先輩はひょいっと私を担ぎ上げた
こ、これはお姫様抱っこっていうやつじゃ……
待機してた2年の先輩方に引き上げてもらって、リサちゃんもケージへ
よかった、無事に見つけられて…
それに、梶先輩居なかったら溺れてたかも…
河川敷に座り込んでいると、桜くんと蘇枋くんが来てくれた
タオルを受け取り濡れた髪を拭く
寒いけど、さすがに脱ぐわけにはいかない…
少し頬を赤らめ私を見ないように自分の上着を脱いで投げつけてきた
…うん、少しあったかくなった
最終的には梶先輩に助けてもらったけど、リサちゃんを離さなかったのは私
私は桜くんが「俺らで見つけるぞ」って言った事を完遂できたのがとても嬉しくて、つい頬が緩んでしまう
みんなと別れて帰路に着く
明日も学校だし、私も制服綺麗にしないと…
帰り道を歩きながら、ゾワっとする寒気と倦怠感に襲われる
あー…これはまずいかも…先に帰らせてもらって正解だったな…
家に着いて桜くんの上着と濡れた制服をハンガーにかけて着替え、熱を測る
体温は37.8と表示され、その数字を見た途端どっとしんどさが増した
解熱剤を飲むには低い…とりあえず横になってあったまりながら少し休もう…
私は布団に潜り、体を丸めて目を閉じた
………
……………
しばらく眠っていたようで、日も傾き、空も暗くなり始めていた
体は眠る前より怠さを増していて、寒気も酷い
恐る恐る体温を測ると38.8…
再度布団に潜ろうとした時、玄関をノックする音が聞こえてきた
しんどい体を引き摺るようにゆっくり玄関に近づきドアを少し開ける
そこにいたのは桜くんだった
ずいっと袋を差し出され、受け取る
中には美味しそうなお団子…
その瞬間、視界がグラッと歪んでバランスを崩し、近くの壁に凭れ掛かる
桜くんの肩を借りて、布団の場所まで戻される
熱を測ると39.5まで上がっていた
これはもう解熱剤飲むしかないな…
頭が重たくて、意識もぼーっとしてる
桜くんはぎこちなく私の言った場所を探して、目当てのものを持ってきてくれた
薬を受け取り、ゴクッと飲み込んで少し横になる
桜くんは頬を赤らめて頭を掻く
本当に無我夢中だった、それ以外理由はない
もちろんリサちゃんの事もだけど…
私、自分じゃ気付かない内に力入れすぎてたのかな…
喧嘩もできない私にもできる事は率先してしたくて…
でもその結果、こうして迷惑や心配をかけてる…
熱のせいかな…思考もマイナス……
薬のせいで瞼も重たい……
…あれ……そういえば………
桜くんはみるみる顔を赤くする
顔を真っ赤にして、口をモゴモゴしてる
……だめだ、ちゃんと話したいのに…睡魔が本気出してきて…目開けてられない……
そう言い残して、私は意識を手放した
私はそのまま深い眠りについた
翌朝には熱も平熱まで下がった
桜くんに借りた上着は無くなっていて
玄関はちゃんと鍵がかかっていた
桜くん、やっとあなたの下の名前ちゃんの名前呼べました!長かったですね…
4月に川に飛び込んだら熱も出ますよね?
ちょっとまた原作からは少しだけ離れたオリジナル回でしたが、いかがだったでしょう…?(ドキドキ)
次回はまた原作に少し戻ります!
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!